「咽頭軟化症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!

「咽頭軟化症」を発症する原因はご存知ですか?医師が監修!

喉頭軟化症とは、声帯や空気の通り道である「喉頭」の組織が柔らかく弱いために、呼吸をする際に気道を狭めてしまう病気です。

喘鳴や呼吸困難を引き起こす疾患のことを喉頭軟弱症と呼びます。

そこで、本記事では、喉頭軟化症の原因と症状を解説します。受診の目安や検査方法・治療方法・後遺症なども詳しく解説するので参考にしてください。

喉頭軟化症はどんな病気?

喉頭軟化症とはどんな病気なのか知りたいです。

喉頭軟化症とは、喉頭の組織が柔らかく弱いために、気管を塞いだり狭めてしまったりする病気のことです。
のどの前側の部分を喉頭と呼びます。ここには気管があり、通常であれば問題なく呼吸ができます。しかし、喉頭軟化症となると喉頭部分の組織が柔らかく弱いために、呼吸をする時に喉頭が動いてしまうのです。
また、この病気は3つの分類に分けられます。

披裂部型

喉頭蓋披裂ひだ短縮型

喉頭蓋型

いずれのタイプも喉頭がのどの中に引き込まれてしまう形となり、気管を塞いだり狭めてしまうため、呼吸困難を引き起こす場合があります。
乳幼児の喘息として、最も多い原因となる病気であり、非常に危険です。

赤ちゃんがなる病気なのですね…。

乳幼児の病気と先述しましたが、成人の場合でもこの病気を発症することはあります。乳幼児の場合、喘息の原因はこの喉頭軟化症によるものが最も多く、30%~75%がこの疾患によるものです。
ほとんどの場合、吸気性喘息と呼ばれる息を吸う時に現れる喘息であることがわかっており、生後10日~14日以内で現れる傾向です。
また、症状のピークは6ヶ月~8ヶ月となります。おおよそ1~2歳までに改善がみられるのが一般的です。
一方で、成人が後天的にかかる喉頭軟化症の場合、循環障害・感染症などさまざまな要因によって引き起こされます。こちらの場合は、乳幼児にかかる病態とは全く異なります。

喉頭軟化症は何が原因で発症しますか?

乳幼児の場合、この病気は先天的なものです。胎児期で完成するはずだった軟骨構造が、完成しなかったことが原因で引き起こされると考えられています。
通常、喉頭は軟骨でできており、胎児期4ヶ月程度の時点で完成します。しかし、喉頭上にある喉頭蓋軟骨については、他の喉頭軟骨よりも約4ヶ月程度遅くなる傾向です。そのため、出生時に未成熟な状態で生まれることがあるのです。
これが乳幼児の場合の原因となります。一方で、大人が発症する場合は、原因は後天的なものです。
先述したような循環障害や感染症に加えて、次のような原因が考えられます。

加齢

脳血管障害

筋萎縮性側索硬化症

脳血管障害とは、くも膜下出血や脳梗塞などのことで、何らかの原因で脳血管が破綻する病気です。
筋委縮性側索硬化症とは、筋肉を動かす・運動を司る神経が障害を受ける病気です。だんだんと筋肉が衰えていく病気で、のどの筋肉もその中に含まれます。
これらの原因により、喉頭軟化症を発症するのです。

喉頭軟化症の症状を教えてください。

主な症状としては、次のようなものが挙げられます。

吸気性喘鳴による呼吸困難

チアノーゼ

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

気管が狭くなったり・塞がれてしまったりしたことにより、吸気性の喘息を起こすことが主な症状です。
その他には、チアノーゼを発症することがあります。これは、血液中の酸素量が低下し、皮膚の色が青くなってしまう症状です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に呼吸が10秒以上停止する症状です。特に、成人の喉頭軟化症において発症する傾向があります。

喉頭軟化症が進行するとどうなりますか?

この病気が進行すると、喘息だけにとどまらず、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。合併症としては、次のようなものが代表的です。

哺乳障害

漏斗胸

胃食道逆流とは、胸腔内圧の上昇によって、胃酸が逆流してしまう症状です。また、喘鳴が強いために、哺乳障害に伴う体重増加不良を認める場合があります。
乳幼児の場合、仰向けの姿勢・泣いている時・興奮している時・哺乳している時などでも喘息が強くなる傾向があります。そのため、上手く哺乳が行えず、哺乳障害を患う可能性が高いです。
漏斗胸とは、胸の中心がへこんだ形となる症状です。

喉頭軟化症の診断・検査方法

受診する目安が知りたいです。

この病気は、生後10日~2週間程度で吸気性の喘息を発症することが特徴です。そのため、まずはこの期間で発症しているかどうかを目安にして受診を考えましょう。

また、息を吐いたときに音が鳴る気管支喘息とは、喘息の起こるタイミングが異なります。息を吸ったときに喘息を生じているのか、息を吐いたときに喘息を生じているのか、状態を確認することもひとつの目安です。

気管支喘息でも受診は必要ですが、吸気性のものだと分かれば、喉頭軟化症の可能性があることを考慮して受診する必要があるでしょう。

喉頭軟化症はどのような検査を行うのでしょうか?

検査方法としては、内視鏡検査を実施します。喉頭の構造を調べるとともに、実際にのどに喉頭上部が引き込まれているかどうかを確認するのです。

吸気時に、引き込まれる状態が確認できれば、喉頭軟化症と診断できます。また、狭窄などの合併症が起きている可能性もあります。それらを判断するために、X線撮影を行い、画像によって診断することもあるでしょう。

喉頭軟化症の治療方法を教えてください。

乳幼児がこの病気にかかっている場合、基本的な治療方法としては、自然に治癒することを考慮して症状を和らげる方法をとります。通常、生後10日~14日で発症することが多いですが、生後3ヶ月~8ヶ月程度すると症状がピークとなります。

そして、1歳~2歳程度になると自然に治癒することが多いです。これは、成長とともに軟骨部分が発達し、症状も改善するためです。特に重症といわれる呼吸困難・哺乳障害・体重増加不良・閉塞性無呼吸を生じていない場合は、経過観察を行います。

万が一、経過観察中に呼吸器感染症を起こすと悪化の恐れがあるため、その際には投薬などを行います。一方、成人の場合は、後天的な病気です。そのため、経過観察ではなく、原因の改善に向けて手術などを行う必要があります。

手術が必要な場合もあるのでしょうか?

先述した通り、乳幼児の場合は自然治癒する場合がほとんどです。しかし、喘息以外の重篤な症状が見られる場合や、症状の改善が見られない場合は手術が必要なことがあります。

気管を切開し、一時的に気道を確保することがあるでしょう。症状に合わせて、喉頭形成術や喉頭蓋吊り上げ術などの手術を行います。しかし、それらの手術でも改善が見られない場合は、永続的に気管の切開が必要となる場合もあります。

また、成人がこの病気にかかった場合にも、手術による治療が主流です。

関連記事:

ピックアップ

「脂肪腫」を発症しやすい人の特徴・良性と悪性の見分け方はご存知ですか?
「低用量ピルで生理は遅らせられる?」生理を遅らせるメリットも解説!
「腹壁瘢痕ヘルニア」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?
認知症のリハビリはどんな内容をおこなっているのか 理学療法士が解説