新NISAのロールオーバー(資産の移管)は1階部分のみ
ロールオーバーとは、非課税期間が終了した際に、資産を翌年のNISA非課税投資枠へ移管することです。
NISAでは、非課税期間終了時の時価で、翌年のNISAの非課税投資枠へ移管することができました。
しかし、新NISAは、2024年まで口座開設期間が延長されたものの、今後制度が再延長されない限り5年後の2028年に終了するため、移管先に新NISAという受け皿はありません。
そのため、新NISAでは、1階部分にある積立資産のみ、つみたてNISAへ移管できます。移管の時の価格は、新NISAで最初に買った価格(簿価)になります。
新NISAの非課税期間終了時に1階部分の資産に価格変動があった時の対応は、次の4通りがあります。
なお、新NISAの2階部分の資産は移管できないので、非課税期間が終了する時には、売却もしくは課税口座へ払い出すことになります。
どんな人が新NISAに向くか
◆つみたてNISAと新NISAのどちらにしたらよいか悩んでいる人
新NISAでは、比較的値動きの大きい個別株などへの投資と、投資信託を使った積立投資の両方が同時にできるので、どちらが自分に向いているのか運用をしながら考えることもできます。
◆積立投資と個別株投資などの両方で運用益非課税のメリットを受けたい人
積立投資で投資信託を買いつつ、タイミングを見ながら個別株へも投資をして、運用益非課税のメリットをねらいたい人は新NISAを使うとよいでしょう。
逆に積立投資に興味がなく、すぐに個別株などへ投資をしたい人は、2024年の新NISAを待たずに現行のNISAで投資を始めるとよいかもしれません。
◆積立投資と一括投資を5年以内でしたい人
積立投資もしつつ、ボーナスなどである程度まとまった資金もその都度一括で5年以内の投資をしたい人は、新NISAも選択肢の1つでしょう。
ただし、新NISAが2028年に終了すると、翌年のつみたてNISAの非課税投資枠へ移管(ロールオーバー)できるのは積立資産のみで、一括投資した資産は売却するか課税口座へ払い出す点に注意が必要です。
配信: ファイナンシャルフィールド