年金の繰上げ、繰下げ、みんなはどうしてる?
実際にはどれぐらいの人が年金受給開始時期の「繰上げ」や「繰下げ」を行っているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」の「国民年金受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況の推移」によると、令和2年度時点で繰り上げを行っている人は全体の11.7%、繰り下げを行っている人は全体の1.6%で、65歳で受け取りを開始している人は全体の86.7%です。繰り上げを行う人は年々減っており、平成28年度には全体の14.5%だった受給率は令和2年度には11.7%になっています。
また、同調査の「厚生年金保険(第1号)新法厚生年金保険(老齢厚生年金)受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況の推移」によると、令和2年度末時点の受給権者約2727万人のうち、繰上げ受給者は0.5%に当たる約12.8万人で、繰下げ受給者は1%の約26.8万人、本来の65歳で受け取りを開始している人は全体の98.5%です。
国民年金、厚生年金のいずれも繰上げ受給や繰下げ受給を行う人は少数派で、65歳で受給を開始している人がほとんどであることが分かります。
損益分岐点を目安に収入や体調で判断を
実際には繰上げや繰下げを行っている人は少なく、65歳で受給を開始している人が多いということです。繰り上げと繰り下げのどちらが得になるか、損益分岐点を算出することはできますが、人の寿命は誰も知ることができません。損益分岐点を目安に、将来的に得ることができる年金以外の収入や受け取る人の体調面を考慮して、繰上げや繰下げを検討するとよいでしょう。
出典
厚生労働省年金局 令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
配信: ファイナンシャルフィールド
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