離婚が子供に与える8つの影響と将来の不安を最小化する方法

離婚が子供に与える8つの影響と将来の不安を最小化する方法

離婚が子供に与える影響はさまざまです。

夫とは価値観が合わないし、不満がもう限界…そんな状態でも、いざ離婚するとなると心配なのが子供への影響。

離婚が子供に及ぼす影響は、様々な学者などから論文でも発表されています。

そこで今回は、実際に離婚を決断する前に知っておきたい、

離婚が子供に与える悪い影響
離婚が子供に与える良い影響
子供がいる場合に最適な離婚のタイミング
離婚が子供に与える悪影響を最小化する方法

などをお伝えしていきます。

離婚をする場合、子供の年齢に限らず、子供へのケアは怠ってはいけません。

ベリーベスト法律事務所の離婚専門チームの弁護士が、これまで受けた相談から得た経験を踏まえてお伝えしたいと思います。ご参考になれば幸いです。

1、離婚が子供に与える悪影響は?

まずは、離婚するにあたって1番気になる子供達への悪影響からチェックしていきましょう。

夫婦にとってベストな選択と、子供にとってベストな選択は必ずしも一致しません。

だからこそ、これからご紹介する悪影響もしっかり押さえた上で、本当に今離婚するべきなのかを今一度考えてみてください。

(1)「捨てられる恐怖」を感じてしまう

離婚にどんな事情があったとしても、子供の心の中には「離れて暮らすことになった親から自分は捨てられたのではないか」という思いがどうしても残ってしまいます。

そして、1度そんなふうに感じてしまった子供は、今一緒に暮らしている親からもいつかは捨てられるかもしれない…という恐怖を無意識のうちに抱いてしまい、精神的に不安定になる可能性があります。

(2)成績が悪くなる可能性がある

「親から捨てられる不安」を感じている子供は、学校の勉強にもなかなか集中することができません。

そのため成績が落ちる可能性が高く、進学先や卒業後の進路にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

良い学校を出ることがすべてではありませんが、成績が悪い=就職後の社会的地位も低くなる傾向があることは無視できないポイントです。

(3)愛情に疑問を持ちやすくなる

子供にとって1番身近な家族でありカップルである両親が離婚するのを目の当たりにすると、子供は人間関係の基本となる愛情に疑問を抱いてしまうことがあります。

「どんなに愛情を注いでもいつかは別れてしまう」という思いから、友達や持ち物への愛着も薄くなる傾向があり、将来的に恋人ができたときにも葛藤を抱きやすくなる可能性があります。

(4)結婚後の離婚率が増える

両親が離婚している子供は、そうでない子供に比べて結婚後の離婚率が増加すると言われています(※)。

子供の性格によっては、離婚した両親を反面教師にして自分の結婚生活に生かすことができるパターンも、もちろんありますが、実際はそうでないケースのほうが多いのかもしれません。

出典:文献「離婚の子どもに与える影響 事例分析を通して(棚瀬一代)」

(5)生活スタイルが変わる

これは必ずしも悪影響というわけではありませんが、両親が離婚することによって、子供の生活リズムや環境には少なからず変化が生まれます。

家を引っ越せば学校を転校する必要が出てくるかもしれませんし、そうなると遊び慣れた友達とも離れ離れになってしまいます。

それまで専業主婦だった母親が働きに出ることになれば、母親と過ごす時間が減る・食事を1人で済ませるようになるなどの変化が訪れることもあるでしょう。

そんな生活スタイルの変化に、戸惑いを覚えてしまう子供も少なくありません。

2、離婚が子供に与える良い影響は?

子供に悪影響がある…と思うとついつい慎重になってしまいますが、一方では離婚することでむしろ子供に良い影響を与えられることもあります。

ここからは、離婚が子供にもたらすメリットについて詳しくチェックしていきましょう。

(1)家庭の雰囲気が明るくなる

子供にとって何よりもツラいのは、両親の不仲な様子やギスギスとした雰囲気を目の当たりにすることです。

子供の前では直接言い争いをしないように気を付けていたとしても、両親が苦しんだり悩んだりしていることを肌で感じる子供は多く、それに対して何もできない自分に無力感を覚えます。

離婚して一緒に暮らしている親に笑顔が戻ると、それだけで子供は日々安心して生活できるようになるものです。

たとえ片方の親とは離れて暮らすことになっても、家庭の雰囲気が明るく穏やかになるのであれば、そのほうが子供にとっては幸せなこともあるのです。

また、新たなパートナーと出会い再婚することで、新しい父親(もしくは母親)を迎えて温かい家庭を作れる可能性も高くなるでしょう。

(2)両親との絆が深まる

離婚して家族が減ってしまうことは心細い反面、残った家族の絆を強く感じられるという効果もあります。

親の立場からすると自分のせいで子供に寂しい思いはさせたくない…と、これまで以上に子供に気を配るようになりますし、子供の中にも「なるべくお母さん(お父さん)を助けたい」という意識が芽生え、親に対する思いやりが深くなります。

離れて暮らすことになった親とも、面会日などを設けて定期的に会うことにしている場合は、離れる前よりむしろお互いのことを話す時間がしっかり作れるようになった!というケースもあるでしょう。

結果的に、子供から見るとどちらの親ともよりコミュニケーションを取れるようになり、それが日々の安心感につながることも多いのです。

(3)打たれ強くなる

両親の離婚は子供の心に様々な葛藤やインパクトを与えますが、その経験は決して無駄にはなりません。

精神的な成長には、困難に立ち向かうことや挫折がある意味必要不可欠です。

両親の離婚を乗り越えた子供は、その分メンタルが強くなり、他の同年代の子供に比べて精神的な自立も早くなるでしょう。

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