「塩野義製薬の新型コロナウイルス飲み薬」100万人分の供給開始も専門家の間では懐疑的な意見

「塩野義製薬の新型コロナウイルス飲み薬」100万人分の供給開始も専門家の間では懐疑的な意見

11月22日、厚生労働省は塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認しました。このニュースについて郷先生にお話を伺います。

監修医師:
郷 正憲(医師)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT。

塩野義製薬の治験結果について

塩野義製薬が発表した最終段階の治験結果の内容について教えてください。

郷先生

11月22日、厚生労働省は塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」を緊急承認しました。軽症者にも使用することができる初の国産飲み薬で、緊急承認制度でも初めて適用されました。厚生労働省は塩野義製薬と100万人分の供給契約を結んでおり、11月28日から医療機関などへの供給を開始しています。

「ゾコーバ」の承認を巡っては、2022年2月に使用の承認申請がおこなわれ、緊急承認制度を活用して6月と7月に審議されたものの継続審議となりました。その後、塩野義製薬は9月に最終段階の治験結果を厚生労働省などに提出していました。最終段階の治験は、重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症の新型コロナウイルスの患者1821人を対象に、2022年2月から7月中旬まで実施されました。

治験では1日1回、5日間「ゾコーバ」を服用するグループと服用しないグループに分けられました。「ゾコーバ」を服用したグループは、せきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、倦怠感、発熱・熱っぽさの症状が7日前後で全てなくなりました。また、「ゾコーバ」を服用したグループは、服用していないグループと比べて上記の症状がなくなるまでの時間が約24時間短くなりました。さらに、投与を始めて4日目の段階でウイルス量が大幅に減少したほか、重篤な副作用もなかったとのことでした。「ゾコーバ」は11月28日から全国2900の医療機関などに供給される見通しで、供給される医療機関は都道府県などのホームページに掲載されます。

新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」とは?

今回、緊急承認された治療薬「ゾコーバ」について教えてください。

郷先生

「ゾコーバ」は塩野義製薬が開発を進めている新型コロナウイルス治療薬です。ウイルスの増殖を抑制する効果があり、軽症者や無症状者向けの飲み薬となります。感染初期に1日1回、5日間自宅などで服用することで重症化を防ぐ効果が期待されています。

塩野義製薬はこれまで、中間段階の治験の結果を用いて日本国内での緊急承認制度の活用を目指してきました。しかし、厚生労働省が7月に開いた専門家による会議では、中間段階の治験で設定していた目標の1つである「新型コロナウイルスに特徴的な12症状全ての改善が確認できなかった」などの理由で承認が見送られて継続審議となっていました。

関連記事:

ピックアップ

女性に多い病気「下肢静脈瘤」ってどんな症状がでるの?
眼が少し「かすむ」「まぶしい」・・・眼科を受診したほうがいい?
ニキビ肌の正しいスキンケアを美容皮膚科医が詳しく解説! ニキビのセルフケアの注意点は?
「ずっと眠い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!