会社員として働いてきた妻と、扶養の範囲内でパートとして働いてきた妻。夫の遺族年金の受給額に違いはある?

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入しています。さらに、会社員・公務員は厚生年金保険にも加入しています。夫が亡くなった場合、要件を満たせば生計を維持されていた遺族が遺族年金を受け取れます。
 
妻が遺族年金を受け取る場合に、妻の働き方で受給額に違いはあるのでしょうか。遺族年金について受給額を中心に解説します。

遺族年金とは

 

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった人が亡くなった場合に、その人に生計を維持されていた遺族が受け取れる年金です。

 

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、受給要件を満たすかどうかで受け取れる年金が違ってきます。

 

遺族基礎年金は、国民年金に加入している人や老齢基礎年金の受給資格を満たした人(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が25年以上)が亡くなった場合に、生計を維持されていた子のある配偶者または子が受け取れる年金です。

 

この場合の子とは、18歳に到達した年度の3月31日を経過していない人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の人です。

 

遺族厚生年金は、厚生年金保険に加入している人や老齢厚生年金保険の受給資格を満たした人(保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が25年以上)が亡くなった場合に、生計を維持されていた家族が受け取れる年金です。

 

対象となる家族は優先順位が決まっており、妻、子、夫、父母、孫、祖父母の順で、夫、父母、祖父母は受け取る人の年齢が55歳以上に限られます。

 

遺族年金を受け取るには生計維持の2つの要件を満たす必要があります。1つ目は、同居あるいは別居で仕送りを受けるなど生計を同じくしていること、2つ目は、収入が850万円未満(所得が655万5000円未満)であることです。

 

遺族年金の年金額

遺族年金の年金額は、遺族基礎年金、遺族厚生年金それぞれで計算方法が決められています。

 

遺族基礎年金

遺族基礎年金の年金額は、子のある配偶者と子の2つのケースでそれぞれ次のようになっています。

子のある配偶者が受け取る場合、77万7800円+子の加算額

子が受け取る場合、77万7800円+2年目以降の子の加算額

子の加算額は、1人目および2人目は各22万3800円、3人目以降は各7万4600円です。

例えば、夫が亡くなった場合に妻と子2人が受け取るケースでは、77万円7800円+22万3800円×2人で合計122万5400円となります。

 

遺族厚生年金

遺族厚生年金の年金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の比例報酬部分の4分の3です。なお、厚生年金保険の被保険者の期間に亡くなった場合で、厚生年金保険の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算します。

 

例えば、亡くなった人の老齢厚生年金の比例報酬部分が100万円、被保険者期間は25年以上のケースでは、遺族厚生年金は75万円となります。

 

なお、65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利にある人が、配偶者が亡くなって遺族厚生年金を受け取る場合は、遺族厚生年金の年金額は次の高い方の金額です。

●亡くなった人の老齢厚生年金の比例報酬部分の4分の3

●亡くなった人の老齢厚生年金の比例報酬部分の2分の1と、自身の老齢厚生年金の2分の1の合計

また、遺族厚生年金には「中高齢寡婦加算」の制度があります。夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満の子のない妻、または遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給していた子のある妻について子が18歳になったなどで遺族基礎年金を受給できなくなる場合に、58万3400円を加算して受け取れます。

 

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