知っておきたい!2人目不妊の基礎知識

第297回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
最近では、メディアでもよく取り上げられるようになった「2人目不妊」という言葉。第一子出産後、2人目の妊娠を望んでいても、なかなか妊娠できない状態のことを言います。2人目の妊活に取り組むにあたって、注意すべき点は?

知っておきたい!2人目不妊の基礎知識

●2人目不妊の原因は、出産時の影響?

そもそも2人目不妊のおもな原因は、4つあると言われています。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。まずは、出産に伴う出血や感染症についてです。

第一子の出産のとき、出血が多かったり、感染症にかかってしまったりすると、妊娠しづらいカラダになってしまうことがあります。多量の出血や感染症は、子宮内の環境を悪くしてしまうおそれがあるのです。子宮内の環境が正常でないと、排卵障害を引き起こしてしまい、その結果不妊につながるのだそう。

出産時の出血に関しては、個人差の問題なので、なんとも言えませんが、感染症の予防ならできそうですね。できる限り、清潔に保つように心がけることが大切です。

●ホルモンバランスの乱れと2人目不妊

出産後や育児中は、ホルモンバランスが乱れてしまうことが多いです。では、ホルモンバランスの乱れは、何が原因で起こるのでしょうか?

□ホルモンバランスの乱れ
・「プロラクチン」が増える
ママのカラダには、出産後の授乳期の妊娠を防ぐため、「プロラクチン」という、排卵を抑制するホルモンの分泌を増加する機能がついているのだとか。

・ストレス
産後や育児中の過度なストレスは、ホルモンバランスの乱れの原因に。ホルモンバランスは生殖器官のはたらきにも影響します。これは、男女問わずあることです。

女性の場合、過度なストレスにより月経が来なくなることがありますが、それもホルモンバランスによるもの。男性は、精子の活動性や濃度が低下してしまうことがあります。さらに、性への関心が薄れてしまうこともあるそうです。

●加齢は2人目不妊の一番の敵

歳をとることは、誰も逆らうことができません。しかし、加齢は不妊の一番の原因とも言われているのです。第一子出産時に比べ、当然パパ・ママの年齢はあがりますよね。年齢を重ねると、生殖機能がどんどん低下していきます。

最近は晩婚化が進み、第一子の出産も高齢化の傾向。一般的に、男性は30代から精子の質が低下すると言われています。また、それは女性も然り。女性は卵巣や卵子の質の低下、婦人科系の病気のリスクの高まりが問題になっています。

●肥満改善で2人目不妊も解決?

食生活の欧米化が叫ばれる昨今。肥満についても関心が高まっています。そんな肥満も、2人目不妊の原因になるのだそう。

女性は、産後なかなか体重が戻らないということも珍しくありません。肥満の女性は、排卵しにくいカラダになっています。多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)という病気の原因にもなるので要注意。多嚢胞性卵巣症候群は、排卵ができず、卵巣内に卵胞が溢れてしまい、月経異常や不妊の原因になる病気のことです。

男性はBMI値が高いほど、精子量が少ないというデータがあります。精巣は熱に弱いのですが、周辺の脂肪が精巣を温めてしまうことが原因。肥満は良質な精子の製造を妨げるのです。

2人目不妊に悩む人は少なくありません。妊活をはじめる前に、原因をしっかりと理解し、自分たちに照らし合わせてみてください。もしかしたら、解決の糸口がみつかるかもしれませんよ。まずは、できることから始めましょう。
(文・明日陽樹/考務店)

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