賭博罪とは?どんな行為に成立するかを弁護士が解説

賭博罪とは?どんな行為に成立するかを弁護士が解説

賭博罪は、金品を賭けて偶然に左右される勝負をすると成立する犯罪です。

賭け麻雀、賭けゴルフも形式上は賭博罪となり、比較的身近な犯罪ということができます。

罪の意識のないうちに犯罪に当たる行為をしてしまい、逮捕されることがないように注意しなければなりません。

今回は

賭博罪の種類
どんな行為が賭博罪になる?
賭博罪で逮捕されたら?

などについて解説します。

この記事が、賭博罪について知りたい方のための手助けとなれば幸いです。

1、賭博罪とは?

まずは、賭博罪とはどのような犯罪であるのかを解説します。

(1)金品を賭けて偶然の勝負をすると成立する犯罪

賭博罪の「賭博」とは、勝敗が偶然の事情で決まる事項について、金銭やその他財産の得喪を争うことです。

たとえば「2人でジャンケンをして負けた方が勝った方に1万円支払う」のは賭博にあたります。

結果が「偶然」決まる必要があるため、あらかじめ勝敗が決まっているイカサマ賭博は、賭博罪には該当しません(詐欺罪になります)。

また「勝者が財産を得て、敗者が財産を失う」関係を要するため、主催者が賞品を用意するビンゴゲームは賭博罪にはあたりません。

(2)「一時の娯楽に供する物」を賭けただけでは成立しない

賭ける財産は金銭に限りません。ブランド品、車などを賭けても賭博罪に該当します。

ただし「一時の娯楽に供する物」を賭けた場合は対象外です。「一時の娯楽に供する物」とは、関係者が娯楽のためにすぐに使い果たす物をいいます。

たとえば、少量の飲食物やタバコを賭けてジャンケンをしても、一般的に賭博罪は成立しません。

2、賭博罪の種類

刑法に規定されている賭博罪には次の3種類があります。

(1)単純賭博罪

賭博の基本的な類型が、単純賭博罪です。

刑法第185条

「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」

1回限りなどで習慣になっていなければ単純賭博罪となります。刑罰は50万円以下の罰金あるいは科料であり、比較的軽い部類の犯罪です。

(2)常習賭博罪

賭博を繰り返していると、常習賭博罪という罪に問われる可能性があります。

刑法第186条1項

「常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。」

「常習」にあたるかは、回数のみならず、賭博の種類・掛け金の額・期間・前科の有無などを総合的に考慮して判断されます(したがって、前科がなくとも成立する場合もあります。)。

習慣になっている分、より悪質だと考えられるため、刑罰は3年以下の懲役と単純賭博罪に比べてかなり重いです。

(3)賭博場開帳等図利罪

賭博する場を提供した人にも、賭博場開帳等図利罪という犯罪が成立します。

刑法第186条2項

「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。」

胴元として手数料収入を得るために、カジノなど賭博する場を提供する行為は処罰の対象です。

人を実際に集めなくても、電話などで申込みを受け付ける場合にも該当します。

自身が賭博をしていなくても成立し、刑罰は3月以上5年以下と重くなっています。

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