ワイン会開催!編集部と飲んで旅する日本ワイン Vol.04

ワイン会開催!編集部と飲んで旅する日本ワイン Vol.04

メトロミニッツ編集部のお酒担当・松島が日本全国を巡って見つけた日本ワインをワイン初心者の編集長・古川に飲みながら伝える連載。第4回は熊本県の菊鹿ワイナリー。まるでフランスの銘醸地・ブルゴーニュのワインのようと話題の白ワインを紹介します。

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●メトロミニッツ編集長 古川誠(右)
一昨年の日本ワイン特集を機に日本ワインの魅力に目覚め、今や家飲みもすっかり日本ワインに。日本ワインのことをもっと知りたい

●メトロミニッツ編集部 お酒担当 松島千冬(左)
ワインエキスパート・エクセレンスの資格を持つ、日本ワインを愛する編集者。日本中のワイナリーを訪れ、古川に日本ワインを教える

今月の日本ワイン:[熊本県・菊鹿町]菊鹿ワイナリー「菊鹿シャルドネ樽熟成2020」

1999 年、熊本市にて創業。年間日照時間が2000 時間を超える山鹿市菊鹿町の契約農家が育てたブドウを醸造責任者の西村篤さんがワインに仕上げる。

2018 年には菊鹿町に「菊鹿ワイナリー」を設立。同時に自社畑も取得。「菊鹿シャルドネ樽熟成」は日本ワインコンクールで、最高金賞を受賞した白ワイン。

TEL.0968-41-8585
住所/熊本県山鹿市菊鹿町相良559-2

「菊鹿シャルドネ樽熟成2020」

古川(以下:古): 今回はどこに行ってきたの?

松島(以下:松): なんと九州です。最近ワイン好きの間で「まるでブルゴーニュのようなシャルドネを造るワイナリーが熊本にある」と話題になっていて。

古: それは気になるな。

松: 熊本空港から車でしか行けないところにあって、片道1時間。コンビニも1軒もない菊鹿町で30軒の契約農家が育てたブドウで造られているワインがこちらです。

古: じゃあさっそくいただきます。

松: 古川さん、そもそも普段シャルドネって飲みます?

古: うん。この連載始めてから、普段もワイン飲むようになって結構好きかも。酸がまろやかでフルーティなイメージがある。…え、違う?

松: あってます! あってます! なんだか古川さんが成長してる!!ってジーンとしてました。

古: このワインおいしい! なんかバニラみたいな香りがする。
 
松: 素晴らしい。バニラは木樽で熟成させたワインから出る香り。シャルドネって樽との相性がよいので、熟成に樽を使うことが多いんです。

古: 日本ワインの連載だから、俺は日本ワインが出てくるってわかっているんだけど、知らずに飲んだら日本のワインってわからないかも。

松: ですよね。私も過去に何回かブラインド(銘柄を伏せてワインを飲むこと)で、このワインを出題したことがあるんですけど、誰も日本ってわからなかったです。みんな上質なブルゴーニュとかカリフォルニアのシャルドネって言いますね。

古: でも樽の香りだけじゃなくて果実味もすごいよね。満足感半端ない。

松: そう、ブドウのポテンシャルがないと樽の香りに負けてしまうのですが、そうじゃないのがこのワインの素晴らしさなんです。

古: なんでそんなにいいブドウができるの?

松: やっぱりそこ気になりますよね。編集者としては「この日照量があるからふくよかな果実味が特徴です」とか、そういう答えを聞きたくて「菊鹿ワイナリーならではのシャルドネの特徴はなんですか?」とか何度も質問してみたんですけど、醸造責任者の西村篤さんの答えは「実際のところどうなんでしょうね。……でも、やっぱり30軒の農家さんの顔が浮かぶところですかね」というもので。

古: めっちゃかっこいいな!“農家さんの顔が浮かぶ”っていいね。一気に好きになったわ。

松: 元々ワイナリーがない場所で、20年以上前に3軒の農家から始まったシャルドネ造りが今や30軒に。「おいしいワインを造ることはもちろんですが、ワインを造ることで菊鹿町の地域活性化につながったらいい」という想いが菊鹿ワイナリーらしさでした。

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