体温が低い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)
医師、医学博士。2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許取得。2014年10月に血液悪性腫瘍の研究を志して、神戸大学大学院に入学。2019年3月に医学博士号と日本医師免許を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院などを歴任後、2022年2月新宿アイランド内科クリニック院長に就任。内科全般の疾患を幅広く診療している。
「体温が低い」症状で考えられる病気と対処法
体温は日内変動や外気温などに多少影響されますが、大体35-37度の範囲で維持されています。体温が高くなる発熱は気にする人が多いですが、実は体温が低すぎるというのも問題です。今回は低体温について解説していきます。
体温が低い症状で考えられる原因と治し方
低体温症は、一般的には直腸や食道などで測定できる深部体温が35℃以下、と定義されています。通常、みなさんは脇の下(腋窩)などで体温測定をされると思いますが、腋窩温は深部体温よりも0.3-0.5℃ほど低いと言われており、脇の下(腋窩)で34.5-34.8℃くらいが低体温症の定義に当てはまります。寒い日に、外に長時間いることでおこる低体温症や何かしらの病気が原因であることもありますが、ダイエットなどで筋肉や脂肪などの熱産生、体温保持をできない状態でも低体温症を起こします。痩せすぎている場合には、まずは自分の適正体重を維持できるようにバランスのよい食事をとりましょう。やせる原因で摂食障害があると精神科などで治療が必要になることもあります。
体温が低く頭痛がする症状で考えられる原因と治し方
体温が低く頭痛がある場合で一番怖いのは、髄膜炎や脳炎などの感染により低体温と頭痛を起こしている場合です。感染症は通常は発熱をしますが、重症な感染症の場合、低体温になることがあります。辛い頭痛がある場合には必ず病院を受診しましょう。
体温がそこまで低くなく、頭痛も軽いものであれば市販の鎮痛薬で対処いただいてもよいですが、体温が低いことが原因ですとなかなか薬の効果も得られないかもしれません。
体温が低く体がだるい症状で考えられる原因と治し方
体の筋力やエネルギー源となる脂肪が少ないと、体温が低く体がだるく疲れやすい症状がでることがあります。まずは健康的な体づくりを目指しましょう。適切な食事と運動が必要です。病気が隠れている場合もありますので、辛い症状がある場合には病院を受診しましょう。
体温が低くめまいがする症状で考えられる原因と治し方
低体温でめまいがする場合、髄膜炎、脳炎などの中枢神経の感染症が疑われます。めまいがひどい場合にはすぐに病院を受診しましょう。
体温が低く吐き気がする症状で考えられる原因と治し方
吐き気、嘔吐の症状があり辛い場合には体温が低くても、高くても病院を受診しましょう。吐き気で水分摂取がままならない場合には脱水症を起こす危険性もあります。
男性で体温が低い症状で考えられる主な原因と治し方
一般的には男性の方が女性より筋肉量は多いですが、やせの男性などでは体温が低い傾向があります。まずはバランスの良い食事を心がけましょう。何か症状がある場合は、体温以外にも何か不調がある場合には病院でご相談ください。
すぐに病院へ行くべき「体温が低い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
ぼーっとするなど、意識障害を疑う場合は、救急科へ
体温が低く、意識障害を疑う場合にはすぐに救急車を呼びましょう。35℃以下の低体温だけでも意識障害が起こることもありますが、重症感染症やその他の病気が原因になっていることもあります。
受診・予防の目安となる「体温が低い」のセルフチェック法
・体温が低い以外に意識障害を疑う症状がある場合
・体温が低い以外に頭痛、めまい、腹痛などの症状がある場合
配信: Medical DOC