高齢の親を自分の扶養家族に迎える際、会社員の場合どのような手続きが必要なのでしょうか。
主に税控除に関する取り扱いについて解説します。
親を扶養できる条件とは
まず、扶養できる親の条件を確認しましょう。その年の12月31日時点で、次の要件にすべて当てはまる場合となります(※1)。
(1) 納税者(扶養者)と生計を一にしていること
(2) 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(3) 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
別居でも、親世帯に常に生活費や療養費等の仕送りをしている場合には「生計を一にする」に該当します。
なお、親が公的年金を受給している場合は、収入条件が65歳を境に異なってきます。老齢基礎年金や老齢厚生年金などの公的年金は、公的年金等控除額を差し引いて所得金額(雑所得)を算出します。収入が公的年金だけであれば、この雑所得が48万円以下になる年金額までなら扶養にできます。
合計所得が1000万円以下のケースを表1で確認してみましょう(※2)。
【表1】
雑所得が48万円以下になるのは、65歳未満は年金収入が108万円以下、65歳以上は158万円以下の場合です。
高齢だと控除金額が大きい
扶養家族にすることで扶養者の所得に適用される所得控除額は表2のとおりです。年齢および同居有無により金額が決まります(※1)。
【表2】
扶養する親が69歳以下なら38万円ですが、70歳以上(老人扶養親族)の場合、同居以外なら48万円、同居なら58万円です(注:特定扶養親族は19歳以上23歳未満の者)。
さらに、障がい者については「障害者控除」があり、該当する区分に応じて27万円、40万円または75万円が追加控除されます。例えば、同居する老人扶養家族である親が、障害者控除額の最も高い75万円に該当する場合、扶養控除58万円+障害者控除75万円=133万円が所得控除額になります(※3)。
配信: ファイナンシャルフィールド