親と縁を切る方法なんてあるのか?
親との関係性に悩むあなた。
いっそのこと親と縁を切ってしまいたい、そんな衝動にもかられることもあるでしょう。
そんな思いでこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。
法的に、戸籍上の親子の縁を切る方法は実はありません。
それでも、親子の縁を切りたくなるような理由に対する対処法は、それぞれ存在しています。
今回は、何かしらの理由で親子の縁を切りたい方に向けて
親子の縁を切りたい理由
法的な親子の縁とは?
事実上親と縁を切る方法
これらに加え、縁を切りたい親との接し方についてご紹介していきましょう。
この記事が、これからは親に悩まされることなく、あなたの人生をあなたらしく生きていけるきっかけになることを祈ります。
1、親と縁を切る方法は?|縁を切りたくなる理由
子どもが親と縁を切りたくなる理由にはさまざまなケースが考えられます。
親との縁を切りたい方々の理由を見ていきましょう。
(1)親の過干渉・支配から逃れたい
いくつになっても親が干渉してくる、支配的な態度をとってくる、といったケースは少なからず存在しています。
親が親子の関係を俯瞰できていない関係です。
子どもは、独自に社会生活を立派に送っています。
しかし未熟な部分ばかりに目を向け、「まだまだ」と言わんばかりに子どもを支配しようとする親がいます。
人生は、大きなことはもちろん小さなことでも自分で決めて進むことに意義があり、そこに子どもオリジナルの人生が広がっていくのです。
親自身、自分の意思に従って生きているというのに、子どもが自由に生きることを否定するというのであれば、もはや「心配」という優しい感情とはいえないでしょう。
子どもは敏感にそれを感じ、受け入れることができなくなってしまいます。
(2)親が異性関係にだらしがない・家事をしない
両親どちらかが浮気を繰り返し、異性関係にだらしがない場合や、恋愛に夢中で家のことは何もしないというケースもあります。
父親がこのタイプの場合、家庭を顧みない様子に母親への同情が止まらないかもしれません。
母親がこのタイプの場合、まるでゴミ屋敷のような我が家に嫌気もさし、満足に食事もできない生活に耐えかね、親と縁を切りたくなってしまうかもしれません。
このような親の場合、依存性の高い性質である可能性が高いため、別居をしている場合でも子どもになんやかんやと頼みごとをしてくる頻度も高いかもしれません。
(3)金の無心をしてくる
しっかり者の子どもに金の無心をしてくる親も少なくありません。
子どもは、親に愛情があります。
生まれたての子どもが成長する過程では、親は子どもの指針です。
好き嫌いは無関係であり、親がいなければ生きていかれない本能が備わっています。
ともに生活する中で笑顔を交わすときもあったはず。そんな親へ愛情をもつのは動物として当然の本能です。
親が困っていると知れば、どんなに嫌だなと思っても無視することは心が痛みます。
いっそのこと縁が切れたらと、そう思うのも無理はありません。
(4)結婚を反対された
結婚を反対され、大きく揉めるケースもあります。
親が結婚を反対する場合とは、子どもが「好きだ」というだけで結婚する場合であることが多いでしょう。逆に、年収、評判などの条件が揃っている場合に、親が反対し大きく揉める、という話はあまりきかないかもしません。
そう考えれば、親が結婚を反対するには、親の「結婚観」が関係しています。
親の結婚観では、結婚は好きだからだけではダメだというものがあるケースです。
国際結婚の場合は、お相手の国に対する偏見というケースもあります。
たしかに、親は子どもより長い人生を生きています。
子どもが予見し得ない結末も、見えているかもしれません。
そのため、子どもも反対に対して嫌悪感を示すだけではもったいないとも言えます。
親の結婚観を引き出し、徹底的に話し合うと良いでしょう。
ただ、親が感情的になっているケースでは、家族間だけで話し合っていても解決は難しいかもしれません。
このようなときは、第三者を巻き込むことも選択肢に入れてみてください。
そして、当然ですが、成人しているならば法律的には結婚に親の同意は不要です。
親との話し合いの後、自分の結婚観を見つめ直し、今の相手と結婚してどんな生活を迎える予定なのか、そのビジョンをきちんと立てた上で自分の責任で入籍をすることは、決して親不孝なことではありません。
(5)親からの虐待から逃れたい
親が虐待をしている場合は早急な対応が必要です。
年齢問わずに逃げ出したくなるのも無理はありません。
独り立ちできる場合は一刻も早く親元から独立しましょう。
まだ未成年である場合は、明日にでも児童相談所に相談してください。
2、親と縁を切る方法を知る前に|「親子の縁」は法的にいうとどんな縁?
法的にいう「親子の縁」とは、子どもが成人していれば基本的には生活扶助義務と、相続関係だけです。
(1)生活扶助義務関係
親子共に生活扶助義務があります(民法877条1項)。
生活扶助義務とは、お互いに生活に困ったなら助けなければいけない、という義務です。
(2)相続関係
親子相互に相続する権利があります。
子供が親の財産を相続できるということ。
反対に子どもの方が先に他界したなら親が財産を相続する権利があります。
なお、相続をする場合、プラスの資産のみならず、マイナスの借金も引き継がれます。
親の借金を負いたくないという場合には対処法がありますので、後述します。
(3)子供が未成年の間は、親に養育・監護義務
子どもがまだ未成年の場合には、親には養育、監護する義務があります。
未成年のうちは親の過干渉があってもある程度は仕方がないこと。
行き過ぎた干渉であっても、親は義務を果たしているだけと認められてしまうケースが多いかもしれません。成人した暁には親に監護されることもなくなりますので、あと少しだけ辛抱しましょう。
とはいえ、虐待をされている場合は別です。
虐待とは身体的な虐待のみならず、精神的な虐待(生きている価値はない、などの暴言)やネグレクト(親としての義務を果たさない)、性的虐待などをいいます。
このような場合は、親権停止、親権喪失などの制度もあります。辛抱や我慢はしてはいけません。
配信: LEGAL MALL