朝起きたとき、首や肩に異常な痛みを感じたことはありませんか。これが寝違えで、首を動かすことも難しくなります。
今回はこの寝違えについて解説していきましょう。そもそも寝違えは病気といえるのでしょうか。
疑問を持つ人も多いので、寝違えたときの対処法や寝違えの治し方についても紹介しています。
また寝違えを起こさないための注意点なども解説しているので参考にしてください。
寝違えとは
よくある寝違えは病気なのでしょうか?
寝違えは、寝ているときの姿勢などにより朝起きたときに生じる首から肩にかけての痛みをいいます。メカニズムなど詳細は明らかではありませんが、よくある症状で誰でも1度は経験したことがあるのではないでしょうか。原因についても諸説ありますが寝違えは怪我とはいえず、やはり軽い病気の1種であるといえるでしょう。
寝違えの原因を教えて下さい。
寝違えの原因についてはさまざまな意見や説があるのですが、正確なところは解明されていません。ただ次のようなことが原因で起こりやすくなるのではないかと考えられます。
睡眠中の不自然な姿勢
前日に無理をしたことによる筋肉の痙攣
前日同じ姿勢を続けた
頚椎の関節包(関節を包んでいる膜)の炎症
睡眠中に寝返りをすることなく、同じ姿勢や不自然な姿勢でいると一部の筋肉に血液が流れなくなり、痛みの原因となることがあります。また日頃行わない運動や労働を長時間したことにより、筋肉が痙攣(こむら返り)をおこした状態とも考えられます。過度な運動や長時間同じ姿勢での仕事は、筋肉の疲労や頚椎の関節包の炎症を引き起こす可能性があるのです。これらのことが翌朝の寝違えの症状となって現れる原因の1つといえます。
寝違えの痛みに特徴はありますか?
寝違えは朝起きたときに激しい痛みを感じ、首を動かせない、首から肩にかけての痛みが特にひどく横を向くこともできないほどです。
筋肉痛のような強い痛みが寝起きに現れるのが、寝違えの痛みの特徴です。痛みは徐々に改善していき、数日で通常に戻ります。
寝違えはどのようなときに発症しやすいのでしょうか?
寝違えの多くは寝ているときの状態によって起こります。寝返りをうつことなく同じ姿勢で寝入ってしまった場合などの朝、寝違えの症状が起こることが多いのです。
また数日仕事で同じ姿勢をとることが多く首に負担をかけ続けたり、過度な運動を行ったりした場合にも寝違えを発症しやすくなります。またアルコールを過度に摂取した場合など寝返りできないほど熟睡して、翌日寝違えを発症してしまうこともあります。
寝違えの対処法や治し方
寝違えて痛めてしまった場合、病院を受診した方が良いのでしょうか?
寝違えの痛みは数日で治まるのが一般的で、痛みは徐々に弱まっていき数日で通常に戻ります。その場合には受診の必要はないでしょう。
ただ痛みが異常に強い・数日経っても治まらない・より強くなったなどの場合は、他に病気が潜んでいる可能性もあるので整形外科を受診してください。そして整形外科では次のようなことから寝違えかどうかを診断します。
レントゲン撮影
手足のしびれ
手足の動き
深部反射(ハンマーでの反射反応)
特に異常がない場合はそのまま様子を見ますが、気になる症状があればさらに詳細な検査を行います。寝違えと間違いやすい病気には主に次のようなものがあります。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎症性神経根症
頚椎症性脊髄症
強直性脊椎炎
他にも思わぬ病気が潜んでいることもあります。また肩こりから寝違えのような症状が出てしまった場合もあるのです。自己判断せずに受診して、はっきり寝違えと診断されれば安心できるのではないでしょうか。
寝違えたときにしなければならないことはありますか?
寝違えたときには、まず無理に動かそうとせず安静にしてください。炎症や痛みを抑える効果のある湿布薬を痛む部分に貼るのもよいでしょう。また内服の鎮痛消炎薬も有効です。
軽いマッサージは有効な場合もありますが、時間をかけて強いマッサージを行うのはやめましょう。筋肉の痙攣に効果のある漢方薬などもあります。効果を見ながらいろいろと試すためにも、できれば整形外科を受診して治療方法を決めるようにしましょう。
寝違えが治るまでにどのくらい掛かりますか?
寝違えてから症状が治まるまでの期間は人によって、またそのときの症状によって違います。
数時間で治まる場合もあれば1週間近く痛みが続くときもあるのです。少しずつ痛みが軽減され数日で治るというのが寝違えの痛みの特徴ですが、痛みがだんだん強くなる、数週間経っても痛みが続くときには受診が必要です。
早く治す治し方はありますか?あれば教えて下さい。
寝違えを早く治す方法としては、消炎鎮痛効果のある湿布薬を痛む部分に貼ることや鎮痛消炎薬を飲むなどが挙げられます。ただこれは一時的に痛みを抑える方法なので、治るまでにはやはり数日必要になるでしょう。
筋肉や筋膜に直接局所麻酔を注射する方法などもあります。整形外科では、さまざまな方法の中から症状に合った治し方を提案できるので相談されるとよいでしょう。
配信: Medical DOC