国民年金の保険料について過去に納付の猶予を受けていた場合、保険料の追納を促す案内が届くことがあります。
大学時代に猶予を受けていた保険料を追納すると、将来受け取る年金をどのくらい増額できるのでしょうか。
学生納付特例制度とは
国民年金には学生納付特例という制度があります。
学生納付特例は、前年の所得が一定額以下の学生について、在学中は国民年金保険料の納付が猶予されるという制度です。
この制度によって保険料の納付猶予を受けている学生の方や、大学時代など過去に猶予されていた方も多いでしょう。
ただし、猶予を受けていた期間は年金の受給資格期間に含まれますが、将来受け取る年金額には反映されません。
国民年金の加入期間となる480ヶ月(40年)で全期間の保険料を納付した場合、老齢基礎年金の支給額が満額となり、原則65歳から年間77万7792円(令和4年度の支給額)を受け取ることができます。
しかし、保険料の納付猶予を受けていた期間があると、その期間に応じて将来受け取れる老齢基礎年金が少なくなります。
なお、国民年金は日本に在住する20歳から60歳までの方に加入が義務付けられているため、基本的には留年をしたり、6年制の大学や大学院に進学したりした場合などでもない限り、大学時代に学生納付特例で猶予を受ける期間は2年というケースが多いでしょう。
10年以内の追納で年金額を増やすことができる
学生納付特例の適用を受けて猶予されていた期間の国民年金保険料は、後から納付することが可能です。
この制度を追納といいますが、追納した月数に応じて将来受け取る老齢基礎年金額を増やすことができます。
ただし、追納ができるのは申し出を行い、追納が承認された月の前10年以内に猶予されていた期間の保険料に限られます。
また、猶予を受けた期間の翌年度から3年度目以降に追納する場合は、本来の保険料に加えて、経過期間に応じた加算額が上乗せされることにご注意ください。
図表
出典:日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
配信: ファイナンシャルフィールド