なかなか聞けない、でも気になる!
子育て世代のお金事情
なかなか聞けない、でも気になる!
子育て世代のお金事情
「収入や貯蓄はどのくらい?」「子どもの教育費はどのくらいためてる?」なんて、仲のいい友人でもなかなか聞けませんよね。ですが、子育てにはお金がかかるもの。
お金について知ったり計画を立てたりすることは、とても大切です。
今回は読者アンケートで多かったお悩みについて、お金のプロにアドバイスをもらいました。
イラスト/田仲由佳
マネーきねこ先生
お金のことで悩んでいる人を放っておけないFP(ファイナンシャルプランナー)。特技はお金と福を招くこと。
羊のママたち
親羊として子育てを頑張っているが、お金のことについては迷える子羊。
あんふぁん読者に聞きました!
※2022年11/2~11/29 あんふぁんWebアンケート 有効回答数946
Q.世帯の年収(額面)を教えてください
Q.世帯の貯蓄額を教えてください
(保険・投資などを除く)
Q.ママが働いている場合は年収を教えてください
今の家計で大丈夫なのか漠然と不安です
未来年表を作って「お金のかかりどき」を知りましょう
お金のことは後にして、まずは簡単な「未来年表」を作ってみましょう。横軸に30年分の欄を作り、縦軸に家族の名前を入れてライフイベントを記入します。
この未来年表を作ると、「お金のかかりどき」が分かります。子育て中は一生懸命な分、「将来の可能性を広げるために、この習い事もやらせたい」などと考えがち。でも、将来の教育費が準備できなければ本末転倒ですよね。「◯年後から教育費が増える」と長期で俯瞰できていれば、「そこまでにためたいから、今は子どもが本当にやりたい習い事に絞ろう」といった視点も持てるでしょう。将来の決め事も、「3年後に35年ローンを組むと、完済はパパ74歳。定年までに返せる借入額にしようかな」と逆算できます。
さらに余裕があれば、未来年表の下に年間の収支見込みを入れて「キャッシュフロー表」にしてみて。この表を夫婦で確認しながら、家族の未来とお金について話し合いましょう。先を見通せるようになると安心できますよ。
年1回、貯蓄がちゃんとできているか確認して、予定を更新しましょう。世帯収入や大きな出費予定が変わったときなどは、その都度見直すといいですよ
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「教育費はどう考えるといいですか?」
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教育費はどう考えるといいですか?
大学の進学費用は準備が必要。今から粛々と積み立てましょう
高校卒業までの学費はそのときの収入から出せるといいですね。私立中学を希望する場合、年収から学費を捻出できるかどうか、キャッシュフロー表で確認しましょう。
準備が必要なのは大学の進学費用です。高校3年の秋までに300万円、可能ならばプラスαをためられるとベター。きょうだいは差をつけず、同額で考えておくといいと思います。教育費は「児童手当+家計から1万円」などと決めて、粛々と自動で積み立てていくのが正攻法。また、年中さんの4月から高校3年の秋まで月2万円をためると、児童手当なしでも300万円弱になります。お金を増やしたい人は、一部を「つみたてNISA」などにすることも検討しましょう。学資保険は貯蓄を「増やす」ことにはあまり向きませんが、元本割れしない、確実にたまる、掛け金が所得控除で節税になる、などのメリットもあります。家計の重荷にならない金額なら、利用してもよいでしょう。
老後資金はいつから、どうためるといいですか?
出産が遅い人は早めにスタート。iDeCoの活用がおすすめです
老後資金は家庭ごとに必要な額や準備期間が大きく異なります。退職金や、定年時の住宅ローン残高、生活費の水準なども影響するので、平均値で考えないことが大切です。
まず、未来年表で子育てが終わるとき(=末子の学業終了)の夫婦の年齢を確認しましょう。例えば50歳で子育てが終わり、65歳まで働けるなら、十分に老後資金をためる期間があります。逆に出産が遅ければ、早めに老後の準備を始めることが大切。特に世帯年収が高くなってから子育てを始めた人は、生活費や教育費を使い過ぎて老後資金が乏しくなる傾向があるので注意しましょう。
ため方は「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」がおすすめ。毎月定額で、投資信託などで運用します。掛け金は所得控除になるので節税効果大。老後まで下ろせないので確実にためられますし、運用益にも非課税枠があります。つみたてNISAはiDeCoより非課税枠が小さいですが、途中解約が可能です。
+Point つみたてNISAやiDeCoは銀行に相談もアリ!
つみたてNISAやiDeCoは投資の一種で、証券口座の開設が必要。関心はあっても、ハードルが高いと感じる人も多いですよね。慣れると便利なのはインターネット証券ですが、自力でスタートするのが難しい人は、まず給与振込口座があるなど、なじみのある銀行の窓口で相談してみましょう。始め方から丁寧に教えてくれますし、いろいろ相談できて心強いですよ。ネット証券より手数料が多少高かったり、選べる投資信託の数が少ないこともありますが、振込手数料や住宅ローンなどの優遇が受けられることも。運用に慣れたらネット証券に移管することも可能です。まずはとにかく始めてみることが大切です!
収入が増えないので不安です。今は専業主婦ですが、働かないとダメですか?
キャッシュフロー表を作り、長い目で考えてみて
キャッシュフロー表で、いつから働けばいいか、そもそも働く必要があるのか、いろいろ試算してみましょう。今は多くの企業で定年退職が60歳から65歳に引き上げられ、70歳になる企業も。ライフステージに合わせて働き方を変えるなど、長く働く社会に変わってきています。また、昨年10月から従業員101人以上の企業では社会保険の加入対象者が年収130万円以上から106万円に下がり、来年10月には51人以上の企業が対象になります。パートでも自分の社会保険に加入する人が増え、扶養範囲は縮小傾向です。
今すぐ働かなくてはいけないということではなく、事前に必要な額が想定できれば、「下の子が△歳になったら正社員になって、厚生年金も増やそう」「今のうちに就職に役立つ資格を取っておこう」など自分で決めることができます。そうすることで、子どもとの今の生活ももっと楽しめるようになるでしょう。
+Point 子どもが小さいうちに家計を見直して
子どもが小さいうちはお金があまりかかりませんが、これから教育費が増え、食事やお小遣いなどの出費も増えていきます。だから、今の家計をしっかり見直しておくことがとても大事! 何をどうしたらいいか分からない人は、金融機関に属さない独立系FPに相談するのもひとつの方法です。相談料はかかりますが、家計の改善点やため方など、家庭に合った具体的なアドバイスがもらえますよ。
監修(マネーきねこ先生の中の人) 氏家祥美さん
FP 事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー。セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。
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「未来年表を作って
「お金のかかりどき」を知りましょう」
配信: あんふぁんWeb