非常食としてカップ麺や袋麺を備えている人も多いと思いますが、どちらも、非常時には水でも作れるって知っていましたか? 実際に水で作ってみて、どのくらいの時間がかかるのか、味はどうか、色々な種類の商品で試してみました。作るときの注意点もまとめています。
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まずはカップ麺を水で作ります
水の量は、お湯で作るときと同量です。放置する時間を延ばすだけで作り方は変えずにチャレンジしてみます。お湯なら放置時間3分のこちらのカップ麺。水だとどのくらいで食べられるようになるでしょうか。
10分経過。まだ箸で麺が持ち上げられないくらいカチカチです。
20分経過。麺がほぐれてきました。一口麺をかじってみると、まだ少し麺に芯が残っている感じ。
30分経過。麺が食べられる硬さになりました。
食べてみると、思っていたよりずっとおいしい! 冷たいものの、ほとんど違和感のない味でした。ただ、気にならない程度ですが、お湯で作っていないので、脂が溶け切らず箸に少しくっついてしまいました。
袋麺にも挑戦!
普段ならお鍋で作る袋麺ですが、水ならパッケージの袋のままで作れますよ。
袋を開いてスープなどの小袋を取り出します。倒れないように両脇を重いビンで支えるように立てておきました。そこに表示の量の水(500ml)を入れて放置します。
この量では麺が完全に水に浸りません。沈むまで水を入れるのは袋から水があふれそうで不安だったので、麺が少しほぐれてきたら沈めることにしました。
15分経過。スタート時とあまり状態は変わりません。麺はカチカチです。
30分経過。麺がほぐれてきたので水に浸っていなかった麺を沈めます。袋が横に広がってきました。
40分経過。食べられる硬さまで麺がほぐれました。スープを入れて混ぜます。
味は、先ほどのカップ麺と同じくお湯で作るのには敵いませんが、十分おいしく食べられました。
麺がほぐれてくると袋の底が安定し、倒れませんが、そのまま食べるのは難しいと思います。
袋麺を調理するときは以下の点に注意してください。
・パッケージの袋のまま調理できるのは、水で作るときだけです。袋にお湯を入れると袋の耐熱温度を超えて袋が破損する恐れがあります。
他のタイプの即席麺でも挑戦
ここまでで作ったカップ麺と袋麺は、どちらもオーソドックスなあっさり味のものでした。こってり系のスープのものや、ほかのタイプの麺でも水で調理できるでしょうか。
まずはこってりスープのカップ麺を水で調理してみます。食べる直前に液状のスープを入れるタイプ。お湯での調理時間は5分ですが、水では食べられる柔らかさになるまで35分かかりました。
水で作ると表面に脂が浮いて、口に入れると口内に脂がまとわりついてその分味が悪くなる感じがありましたが、できるだけ脂の部分を避けて食べるようにしたら大丈夫でした。
続いて、お湯での放置時間が5分のカップうどん。水で作ったら、食べられるくらいに麺が柔らかくなるまで60分ほどかかりました。時間は少しかかるものの、味にも違和感なくおいしく食べられました。
最後にカップ焼きそばにトライ。お湯での放置時間が3分ですが、水では麺が柔らかくなるまで30分ほどかかりました。水を捨ててソースと混ぜて食べてみると、お湯で作ったときとほとんど変わらない味だと思いました。元々、熱々を食べるものではないので違和感がないのかもしれません。
時間を掛ければ水でもOK!
今回試した限りでは、カップ麺や袋麺は水でも調理可能だということがわかりました。水さえ用意できれば食べられるようになるのは、非常時ではありがたいです。麺の形状によって放置時間が変わるので、時々箸で触って様子を見ながら作ってくださいね。
一つだけ気になったのは、スープに浮かぶ脂です。お湯が使えないことも想定して即席麺を選ぶなら、あっさり系の味のほうがおすすめです。また、スープが小袋に入っているタイプだと味の濃さの調整がしやすいので、小さい子どもに食べさせる場合や塩分が気になる場合にも使いやすいと思いました。
カップ麺は調理にも食べるのにも便利ですが、収納に場所を取ります。袋麺は調理と食べるのには少々不便なところもありますが、収納は簡単です。非常食として備えるなら、調理しやすさ・食べやすさ・収納を考えて自分に合ったものを選んでみてくださいね。即席麺はローリングストックにもおすすめです。
<執筆者プロフィル>
シマサキアヤ
フリーランスライター
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配信: 防災ニッポン
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