黄砂は災害!?黄砂のメカニズムと私たちの生活に与える影響

画像:PIXTA

春先になると中国などから黄砂が飛散してくることがあります。黄砂は空中に浮遊し、もやがかかるだけでなく、健康や日常生活にも悪影響を及ぼします。今回は黄砂が飛んでくる時期や理由をはじめ、スモッグやPM2.5との違い、黄砂が生活へ与える影響などを解説します。

こちらの記事もおすすめ!→気象災害の注意報・警報。種類と備えるポイントをまとめました

黄砂とは

黄砂とは、中国やモンゴルのタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などにある砂やちりの名称です。低気圧や強風などによって上空に巻き上げられた黄砂は、偏西風に乗って日本にやってくることがあります。

日本では2月から5月にかけて黄砂が多く観測されています。

出典:「気象庁」月別黄砂観測日数平均値

偏西風が強く吹いている冬に黄砂の飛散が少ないのは、砂漠が雪に覆われるためです。砂の上を雪が覆うことによって砂の飛散が抑制されます。

また、秋に黄砂が少ないのは夏から秋にかけて降る雨で砂が水分を含んでいることや、植物の成長などによって黄砂が舞いにくくなっていることが理由として挙げられます。

春になると黄砂が飛散しやすい理由は、大陸の雪が解けることや植物が十分に育っていないことに加えて偏西風が強く吹きやすいためです。

ちなみに2022年12月には、12月として10年ぶりに黄砂が飛来しました。春以外の時期でも気象条件が整っていると黄砂が飛散する場合があります。

中国では砂塵嵐という気象災害の1つ

黄砂は、中国においては砂塵嵐(さじんあらし)という気象災害の一種です。

大きな砂塵嵐が発生すると視界は極端に悪くなり、突風によって家屋や電柱、樹木の倒壊、線路や耕地・果樹園の埋没など深刻な被害をもたらします。

黄砂の健康への被害についても明らかになっており、中国のニュースサイト・新生網によると、空気中の砂塵の増加によって心筋梗塞、心血管疾患、高血圧、脳卒中などが増えているという報告もありました。

黄砂被害が大きい韓国においても黄砂と健康被害に関係があるという調査結果が出ており、深刻な健康問題を引き起こす原因として捉えられています。

関連記事: