アスベストをどのくらい吸うと病気になる?不安なときの確認事項

アスベストをどのくらい吸うと病気になる?不安なときの確認事項

5、アスベスト関連疾病を発症したときに受けられる補償とは?

アスベスト関連疾病を発症したときには、公的制度を利用して補償を受けたり、損害賠償請求によって金銭賠償を受けたりする方法が考えられます。

第1に、業務中にアスベストに暴露した結果、アスベスト関連疾病を発症したときには、労災保険給付を受けることができます。

労働基準監督署長宛に労災給付の申請後、審査にパスすれば治療費などの支払いを受けられます。

第2に、石綿暴露によりアスベスト関連疾病(良性石綿胸水を除く)を発症したが労災保険給付による補償を受けられない人については、「石綿による健康被害の救済に関する法律」を根拠とする石綿健康被害救済制度による補償が可能です。

第3に、1958年5月26日~1971年4月28日までの間に、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、アスベスト粉塵に晒される業務に従事した人がアスベスト関連疾病(良性石綿胸水を除く)を発症した場合には、工場型アスベスト賠償金制度に基づく和解手続によって賠償金を受け取れます。

第4に、石綿の吹付け作業に係る建設業務従事者(昭和47年10月1日~昭和50年9月30日)及び一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務従事者(昭和50年10月1日~平成16年9月30日)がアスベスト関連疾病を発症したときには、「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」に基づく建設アスベスト給付金による補償対象です。

さらに、使用者・建材メーカーなどに対して民事上の損害賠償請求をすることも理屈上は可能です。

ただし、使用者・建材メーカーが現存していなければ訴訟を提起するのは不可能ですし、アスベスト被害者側で因果関係等について主張立証を尽くす必要があるため、満足のゆく訴訟活動を展開するのは簡単ではないでしょう。

6、アスベストを吸ったことで不安があるときは弁護士へ相談を

すでにアスベスト関連疾病を発症している人、過去の仕事中にアスベストを吸ったおそれがある人など、アスベストが原因で健康被害・不安を抱えているときには、弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、アスベスト関連事案の実績豊富な弁護士に相談することで、次のメリットが得られるからです。

労災保険給付の申請手続きや石綿健康被害救済制度などの手続きを代理してくれる
事業者やメーカーなどに対する損害賠償請求を進めてくれる
アスベストによって生じる健康被害リスクや日常生活の不安へのアドバイスが期待できる
石綿健康被害救済制度やアスベスト被害の損害賠償請求については、着手金・相談料などの負担なく受任してくれる弁護士事務所がある

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