ワイン会開催!編集部と飲んで旅する日本ワイン Vol.06

ワイン会開催!編集部と飲んで旅する日本ワイン Vol.06

メトロミニッツ編集部のお酒担当・松島が日本全国を巡って見つけた日本ワインをワイン初心者の編集長・古川に飲みながら伝える連載。第6回は、山形県南陽市で17基のアンフォラを巧みに操り、ナチュラルワインを造るグレープリパブリック。

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●メトロミニッツ編集長 古川誠(右)
一昨年の日本ワイン特集を機に日本ワインの魅力に目覚め、今や家飲みもすっかり日本ワインに。日本ワインのことをもっと知りたい

●メトロミニッツ編集部 お酒担当 松島千冬(左)
ワインエキスパート・エクセレンスの資格を持つ、日本ワインを愛する編集者。日本中のワイナリーを訪れ、古川に日本ワインを教える

今月の日本ワイン:山形県・南陽市/GRAPEREPABULIC「numero uno 2020」

イタリアンのサローネグループの姉妹ワイナリーとして2017 年に設立。“Made of 100% Grapes.”をコンセプトに、ナチュラルなワインを造る。2019 年からは矢野陽之さんが醸造責任者に。

「ヌメロ ウノ 2020」は自社畑のデラウェアをアンフォラで仕込んだオレンジワイン。今後、自社畑のほかの品種もリリース予定。

グレープリパブリック

TEL.0238-40-4130
住所/山形県南陽市新田3945-94
※「ヌメロ ウノ2020」は完売(次のヴィンテージのリリースは2023年秋頃を予定)

「numero uno 2020」

松島(以下:松):  今回は山形県南陽市にある「グレープリパブリック」に行ってきました。このワインは、自社畑のデラウェアを、アンフォラで仕込んだフラッグシップのオレンジワインです。まずは飲んでみてください。

古川(以下:古):  お、これナチュールじゃない?

松: そうなんです。自社畑では化学農薬や肥料を使わずブドウを育て、それを野生酵母で発酵、亜硫酸無添加、無濾過で造っています。古川さん、普段ナチュラルワイン飲みますか?

古: うん。俺こういうの好みなんだよね。どんな人が造ってるの?

松: 料理人からソムリエになり、醸造家になったという34歳の矢野陽之さん。シドニーで働いていた際、ナチュラルワイン界で有名なニュージーランドのアレックス・クレイグヘッドさんが造ったワインを飲んで感動し、ワイン造りの道へ。その後、アレックスさんのもとで醸造を学んだのですが、なんとそのアレックスさんが、このグレープリパブリックのアドバイザーをしていることから、日本に帰国してすぐに就職。2019年からは醸造責任者を務めています。

古: それは運命だね。しかもこれ、めっちゃうまい。デラウェアって、あの食べるブドウのデラウェア?

松: はい。ワイナリーがある山形県南部の置賜地域って、デラウェアの収穫量が日本一なんですよ。

古: デラウェアって、こんなにおいしいワインになるんだ。ちなみにこの写真の壺みたいのはなに?

松: これが「アンフォラ」という壺です。このワインはその壺を使って醸造・熟成したワインなんです。なんと、その数17基。おそらく日本一アンフォラを所有するワイナリーです。

古: アンフォラで造るとどんな特徴のワインになるの?

松: 「アンフォラは土でできているので、樽の香りが付かず、ブドウそのものの味わいを生かすことができる。そしてワインに温かみが出る。あと、形が丸いからワインが中で対流してワインにうまみ成分が行き渡る」と矢野さんがおっしゃっていました。

古: 確かに、このワインと今食べている油揚げの煮浸し、合うね。

松: 出汁を含んでいる煮浸しと、ワインのうまみがマッチしますね。

古: な~んか、俺もわかってきたな~。合うって感覚が(笑)。最初はさっぱりわからんかったのに。

松: 矢野さんが「日本ワインのよさは繊細な味わいだから、ぜひ和食と合わせて楽しんでほしい」とのことで、今度の日本ワイン会も和食にしました。しかも、グレープリパブリックのワインを熟知したソムリエの野田俊輔さんをゲストにお迎えし、和食とのペアリングでお届けします。

古: それめっちゃ楽しみじゃん! この連載始まってから俺がいちばんワインのおもしろさにはまってるね(笑)

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