「シーバー病」の症状・原因・どのくらいで完治するかご存知ですか?医師が監修!

「シーバー病」の症状・原因・どのくらいで完治するかご存知ですか?医師が監修!

シーバー病とは、踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)とも呼ばれる病気であり、男児に多くみられる病気です。ひどい場合は、歩いただけでも痛むことがあります。

また、ひどい場合は踵骨の血流障害が起こる可能性があり、早期治療が必要となります。そのためにも、病気の原因や症状などを把握して早期の発見が大切です。

そこで本記事では、シーバー病とはどのような病気かをご紹介します。シーバー病の基礎知識・治療法・治療後の予後についても詳しく解説するので参考にしてください。

シーバー病の基礎知識について

シーバー病とはどのような病気でしょうか?

シーバー病とは、踵骨骨端症とも呼ばれる病気です。10歳前後のスポーツをよくする男児に多くみられる傾向があります。踵骨とはかかとの骨のことで、この骨には骨端軟骨と呼ばれる軟骨が存在します。成長期の子供にみられるものであり、大人になると閉じてしまう軟骨です。そして、その軟骨に踵骨骨端核が繋がっています。
踵骨骨端核には、アキレス腱が付着しており、アキレス腱から引っ張られるような力が働いています。シーバー病は、このアキレス腱から引っ張られる力により、踵骨骨端核に骨軟骨症を発症する病気です。また、シーバー病は、成長痛と称されることの多い病気です。しかし、厳密には骨の成長に伴って痛みが発生することはありません。そのため、成長痛と考えて放置しないよう注意が必要です。

シーバー病の症状を教えてください

シーバー病の症状は、主に次のようなものが挙げられます。

押した時の痛み

歩行時の痛み

腫れ

まず代表的な症状としては、押した時の痛みです。かかとを押すと痛みが伴います。また、歩行時にも痛むことがあります。特に過度な運動をした後などに痛むことがあるため、つま先歩きになることもあるほどです。また、腫れも挙げられます。走るなどの過度な運動をすると腫れや熱感を帯びるなど、悪化する可能性もあるため注意が必要です。

シーバー病の主な原因は何でしょうか?

この病気の主な原因は、アキレス腱による踵骨骨端核の牽引です。子供のかかとの骨は、構造上非常にもろい状態にあります。先述したように子供のかかとの骨は、骨端軟骨と踵骨骨端核によって形成されています。骨端軟骨は、成長に伴って硬い骨に変化しますが、子供の時点では成長段階のため弱いです。
そして、運動をするとアキレス腱によって引っ張る力が踵骨骨端核に生じます。通常の運動であれば問題ありませんが、過度な運動になると持続的に引っ張る力が加わってしまい、踵骨に血流障害が発生します。その結果、踵骨骨端核に炎症が起こってしまうのです。

シーバー病は何歳までに発症しますか?

この病気は、特に10歳前後の活発に運動する子供に発症する傾向があります。しかし、骨端軟骨は、成長に伴って硬い骨に変化します。そのため、ある一定の年齢になると、この病気の発症リスクは非常に低くなる場合が多いです。踵骨はおおよそ16歳までに成長すると考えられています。そのため、この病気はおおよそ16歳までに発症する病気といえるでしょう。しかし、過度な運動などの状況によっては、16歳以降でも発症の可能性はあります。

シーバー病にかかりやすい人はどんな人ですか?

この病気にかかりやすい人の特徴としては、過度な運動をする子供です。また、女児よりも男児の方が発症するケースが多い点が挙げられます。さらに、運動の中でも長時間のランニングを行う子供に発症の傾向があり、特にサッカーを行う子供がなりやすいと考えられています。

シーバー病の治療について

シーバー病の治療方法を教えてください

この病気の治療方法は、局所安静を基本とした保存療法です。具体的には、次のような治療方法が挙げられます。

アイシング

ストレッチ

サポーターによる固定

装具療法

まずは、炎症の改善のために、かかとの周りをアイシングします。さらに、痛みが引いた際には、ストレッチなどでアキレス腱を柔らかくする方法も有効です。
また、サポーターによる固定も治療の方法のひとつに挙げられます。かかとを付けて歩いても大丈夫なようにするためです。しかし、歩行時に痛みが伴うケースもあります。その場合は、松葉杖を使ってかかとにかかる負担がかからないようにします。
最後に装具療法も有効な治療方法です。クッション性のあるインソールなどを付けて、かかとの負担を減らして歩行できるようにします。

シーバー病の予防方法はありますか?

基本的な予防方法は、十分な準備運動・ストレッチ・セルフケアです。準備運動やストレッチにより、アキレス腱や足底腱膜と呼ばれる部分を柔軟にしておくことが、発症予防に繋がります。足底腱膜とは、足の裏の足底部に縦に伸びている腱です。また、運動後のセルフケアも大切です。まずは、運動後にアイシングを行いましょう。また、お風呂に入ってストレッチをしてアキレス腱や足底腱膜を柔らかくすることも有効です。
普段の歩行においても、予防方法はあります。足のサイズにフィットする靴を選び、クッション性のあるインソールを使うことです。靴のサイズが合っていないと、正しい姿勢での歩行やスポーツができません。その結果、かかとへの負担が増えてしまうため、靴のサイズも非常に重要です。子供の骨端軟骨は常に成長しており、大人の骨よりも外力に弱い性質があります。そのため、強い力でなくても、同じ場所に力が加わり続けると変形や痛みを引き起こす場合があります。特にシーバー病の場合は、痛み以外に腫れなどの自覚障害が少なく、無理して運動を続けてしまって症状の重症化や長引かせてしまうケースも少なくありません。そのため、これらの予防方法を把握しておき、普段から発症しないようにすることが重要です。

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