赤みがかった黄色と薄闇のコントラスト。店内の照明を乱反射する丸氷とロックグラスが奏でる涼やかな音……。飲み会嫌いが増えた昨今でも、紳士淑女の嗜(たしな)みとしてバーに魅力を感じている人は多いのではないだろうか。そして一人でバーを楽しみたいと思いつつも、「敷居の高さ」でなかなか最初の一歩を踏み出せない人が多いのも世の常である。
「もちろんお店によって異なるけれど、バーは意外とコスパがよい『趣味』の一つです。年齢や性格は関係ない。3000円を握って来店すれば、十分に楽しめる店はたくさんありますよ」
というのは、東京都在住の35歳のAさんだ。一人バーデビューしてから5年、いつも週末は数件あるお気に入りの店で自分の時間を楽しんでいる。そんなAさんにコスパがよいうえにバーを十二分に楽しめる3銘柄を教えてもらった。
オーセンティックなバーにあるお酒を狙うべし!
近年はバーも多様化しているが、一人バーを楽しむのであれば断然「オーセンティックバー」がAさんのおすすめだ。重厚で落ち着いた空間、年代物のウイスキーなどがずらりと並ぶ酒棚など、多くの人が思い浮かべるバーである。
「よく『何を頼めばいいのか分からない』とか『高いお酒をすすめられないか心配』という方は、オーセンティックバーであればまず間違いなく置いている銘柄を頭に入れておきましょう。一見、高そうな雰囲気のオーセンティックバーでも、本記事で紹介するお酒であれば1000円程度。チャージ料は500~1500円くらいで差がありますが、私の感覚では1000円くらい。2杯飲んでも3000円で、1時間くらい楽しめるのですから、個人的には居酒屋と比べてもコスパはよいと思いますよ」
初心者必見!ジン、ラム、ウイスキーのおすすめ3銘柄
Aさんが「行きつけのバーのバーテンダーとも相談した」と前置きしたうえで、一人バーデビューにおすすめに挙げたのは以下の3銘柄である。
■Aさんおすすめの洋酒:3銘柄
●ジン:MONKY 47
●ラム:ロン サカパ 23
●ウイスキー:響(ブレンダーズチョイス)
ジン、ラム、ウイスキーの各銘柄はいずれも比較的手を出しやすく、洋酒を飲みなれていない人でも味を楽しみやすい。そして何よりも、「面白いブランドヒストリー」が共通している特徴だ。
例えば、MONKY 47は第二次世界大戦後に英国空軍の中佐が、かつての敵国ドイツの「黒い森」で生み出したレシピを数十年後に、MONKY 47の創業者が発見したことがきっかけという経緯がある。さらにクラフトジンブームの火付け役とされるのも、ビジネスパーソンであれば興味深い要素だろう。
「『バーに行っても、何を話せばいいか分からない』と悩む人が多いのですが、お酒を嗜む場なので何か話したいときにはお酒の話を聞けばいいんです。今回、紹介した銘柄はいずれもオーセンティックバーであればおなじみの酒ですし『引き出し』が多いので、バーテンダーは喜んで語ってくれると思いますよ」
バックグラウンドや歴史を聞きながら、本物のお酒を楽しむ……。この非日常を手軽に楽しめるのが一人バーの特権だという。もちろん、会話をしたくなければしなくてもいい。ただ、気まずいと感じたときの懐刀として上記の3銘柄を抑えておいて損はないという。
配信: ファイナンシャルフィールド