●カフェインがカラダに悪いと言われる理由
カフェインのおもな作用として、覚醒作用や利尿作用が挙げられます。集中力アップや眠気覚ましに効果があるというのは、よく聞きますよね。国立がん研究センターや東京大学研究チームの発表(40~69歳の男女9万人対象)によると、カフェイン飲料を飲む人と飲まない人では、飲む人のほうが、死亡リスクがおよそ24%低かったそうです。
一方、過剰に摂取すると、胃痛を引き起こしたり、急性中毒症になったりすることも。急性中毒症のおもな症状として、脱水症状や頭痛、不眠などが挙げられます。体質的にカフェインが合わない人もいるようなので、コーヒーを飲んだあとに吐き気やめまい、動悸などの症状がある場合は、控えたほうが無難かもしれませんね。
●1日にどのくらい摂っていいの?
人間のカラダが、体内でカフェインを分解できる限度は、500mgと言われています。カフェインを含む飲み物はたくさんありますが、それぞれどのくらい含まれているのでしょうか? 「全日本コーヒー協会」が発表しているデータを参考に見ていきます。
□カフェイン含有量(100mlあたり)
玉露:160mg
コーヒー:60mg
紅茶:30mg
ココア:30~35mg
煎茶・烏龍茶・ほうじ茶:20mg
コーラ:10~13mg
いかがでしたか? 自分がよく飲むもののカフェイン含有量を把握しておくと、カフェインの摂取量を意識できそうですね。
●カフェイン中毒での死亡例も…
過去には、カフェインの過剰摂取が原因で、男性が中毒死した例も。疲れた時やここぞという時に、エナジードリンクやコーヒーで気持ちを切り替える人もいますが、短時間で過剰にカフェインを摂取すると、中毒死の可能性も十分に考えられるそうです。また、全部ではありませんが、頭痛薬などの鎮痛作用のある薬のなかにも、カフェインが含まれるものがあるといいます。服用前に、成分表を確認しておくと安心ですね。
カフェイン自体というよりは、過剰に摂取することが、カラダに不調を訴える原因。最近では、ノンカフェインのコーヒーやお茶もあります。自分のカラダと相談して、適度に摂取するようにしましょう。
(文・明日陽樹/考務店)