瓦のいたみは台風前後に必ずチェックを
戸建てにお住いの人の場合、まず、台風前後にチェックしておきたいのが、屋根の瓦。瓦の寿命は、一般的に50~60年ともいわれており、長い耐用年数を持っているものですが、これまでの強風や雨によってヒビやズレが生じていると、そこから雨漏りのきっかけに…。
また、瓦の下に敷く下地材や下葺き材は瓦よりも耐用年数が短い傾向があり、瓦を新調した家でも、下地の朽ち果てから雨漏りが発生する場合もあるから注意が必要です。
瓦は素材によって耐用年数が異なります。最近は、瓦をパズルのようにはめ合うことで、強風でもめくれにくい防災瓦という瓦も登場しており、かつてに比べれば瓦も落ちにくくなっているそうですが、備えあればうれいなし。「腐食によって軒が下がっていないか?」「屋根が波うってしまっている場所はないか?」、チェックしてみるようにしましょう。
台風上陸前にバルコニーの植物は部屋の中に
戸建て・マンション関係なく、注意しておくべきなのがバルコニー。気象庁の用語解説によると、一般的には、風速25m/秒以上では立つことも難しく、屋外行動は危険とされていますが、今回の台風10号は風速45m/秒。体を大きく傾けないと立つことも難しく、人体も浮いて飛んでしまい、樹木は倒れる危険性があります。バルコニーにおいてある観葉植物はできるだけ屋内へ収納し、エアコンの室外機や倉庫などは倒れないよう、あらかじめ固定しておくなどの対応が賢明です。
窓ガラスの飛散による台風の二次被害に注意
戸建て・マンションに関係なく、お住まいの地域周辺に、山林や資材置き場など、強風で何かが飛んできそうな場所がある場合は、窓ガラスも要注意。シャッターがある物件の場合は、シャッターを閉めましょう。程度にもよりますが、窓ガラスが割れ、ケガをする二次災害の防止につながります。また、シャッターがない物件の場合は、あらかじめベニヤ板などを窓枠に釘や棒で仮止めしておくことで、被害を最小限にすることができます。
これまで大きな台風の被害に遭ったことがない人にとっては、いささか心配し過ぎと感じるかもしれません。しかし、先述伊勢湾台風では4600名以上の尊い命が犠牲となりました。同じ悲劇を繰り返さないためにも、この機会にきちんとチェックしましょう。
(文・鈴木大介/考務店)