親権問題を解決!子供の親権を獲得するために知っておくべき全知識

親権問題を解決!子供の親権を獲得するために知っておくべき全知識

5、子供の親権を獲得するための3つのコツ

では、実際に離婚時に子供の親権を獲得する可能性を高めるにはどうすればよいのでしょか。

ここでは、子供の親権を獲得するためのコツを3つご紹介します。

(1)親権者としてふさわしい実態を作る

親権を獲得する条件をひとことで言うなら「親権者としてふさわしい親になる」ということに尽きます。具体的には、子育ての実績を作ることを中心として、前記「3」の条件をできる限り満たすようにすることです。

もっとも、これまで条件をあまり満たしていなかったという場合、すぐに条件を満たすのも難しいことです。

どうしても親権を獲得したいのであれば、離婚を1~2年先延ばしにしてでも、子育ての実績を重ねることも考えてみましょう。

(2)面会交流に適切に応じる

自分が親権者になったら、もう一方の親との面会交流に応じることを約束することによっても、親権獲得の可能性を高めることができます。なぜなら、子供の成長にとっては両親からの愛情を受けることが望ましく、そのために離婚して離れて暮らしている親とも定期的に会って親子の交流を図ることが大切だからです。

この考え方のことを「寛容性の原則」といいます。

「離婚後は相手と子供を会わせたくない」という親よりも、積極的に面会交流を認めて「親子の交流を図ってほしい」という親の方が親権者としてふさわしいと判断される傾向にあるのです。

(3)調停委員を味方につける

離婚調停で親権については話し合う際には、調停委員を味方につけることがポイントとなります。

調停では、調停委員が当事者双方から話を聞き、それを相手に伝える形で話し合いが進められます。

ただ、調停委員は単なるメッセンジャーではなく、必要な助言や説得を交えて、当事者が合意に至るように話し合いを導いていく役割を果たします。

自分の言い分を調停委員に理解してもらえれば、調停委員が相手の説得を図ってくれることもあります。

そのためには、これまで子育てのために懸命の努力を重ねてきたことや、子供に深い愛情を注いでいることを調停委員にしっかりと伝えることが大切です。

6、子供の親権を獲得できなかった場合の対処法

離婚時に「もし親権を獲得できなかったら、子供とお別れになる……」と考えている人は多いでしょう。

たしかに親権を獲得できなければ、毎日子供と暮らすことはできなくなります。

しかし、夫婦が離婚しても子供との関係は続きます。

万が一、親権を獲得できなかった場合には、以下にご紹介する方法で子供との関係をつないでいきましょう。

(1)共同養育の提案

離婚して親権者でなくなったら、子育てに関わってはいけないということではありません。

まずは、離婚後も子育ての負担は元夫婦で分担する「共同養育」を提案してみましょう。

たとえば、親権者が用事で家を離れるときは非親権者側で子供の面倒をみたり、部活や塾の送り迎えを非親権者が担当するというように、お互いが助け合って子供を育てていくことを提案するのです。

離婚後も両親が親権者となる「共同親権」の制度は日本ではまだ導入されていませんが、お互いが子育てに関わっていく「共同養育」は現在の日本の制度下でも実行可能です。

実際にも、お互いに手が回らないところを補い合って上手に共同養育を実践している元夫婦も最近は増えてきています。

離婚後はお互いに一切関わりたくないようなケースでは難しいですが、子供にとっても両親と関わる方がプラスになりますので、可能な範囲内で提案して話し合ってみるとよいでしょう。

(2)面会交流権の獲得

現在の日本の制度下で離婚後に子供と関わる方法としては、「面会交流」があります。

面会交流とは、両親の離婚後に親権者とならなかった親と子どもとが継続的に会い、親子の交流を図ることをいいます。

面会交流の頻度や方法、会う場所などは、両親の話し合いで自由に決めることができます。月に1~2回、半日程度ずつ会うのが平均的です。

話し合いがまとまらない場合は、調停で決めることもできます。

ぜひ、面会交流権を獲得して子どもに愛情を注ぎ、親子の絆を築いていきましょう。

(3)親権者の変更

いったん親権者が指定されても、将来的に変更することも可能な場合があります。

離婚時には相手方の方が親権者にふさわしいと判断されても、その後に事情が変われば、親権者を変更できる可能性があるのです。

子供が15歳以上になれば、子供の意思で親権者の変更が認められる場合もあります。

そのためにも、面会交流で子供との絆を深めつつ、養育できる環境を整えていきましょう。

なお、親権者を変更するためには、家庭裁判所へ「親権者変更調停」を申し立てる必要があります。

詳細は、こちらの記事をご参照ください。

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