妊娠でリスク大!? 顔面の麻痺が続くベル麻痺
日本神経治療学会が発表した『標準的神経治療:Bell麻痺』によるとベル麻痺は1年で人口10万人あたり、約20人が発症するそうで、決して珍しい病気ではないといいます。妊婦は、非妊娠女性に比べ3倍発症しやすく、突然顔の動きが悪くなって、顔がゆがんだ状態になり、ベル麻痺だと気づくそうです。おもな症状は以下の通り。
・顔の片側が動かしにくくなる
・瞬きができなくなる
・額のしわ寄せができなくなる
・口角が下がり、口元から水が漏れる
上記の症状以外にも、味覚がおかしくなる、聴覚が過敏になる…といった症状が表れる可能性も。気をつけなければいけないのが、瞬きができなくなること。目が乾き、角膜に傷がつきやすくなるので、目薬は必須。眼帯をすることで目の保護ができるらしいです。麻痺している側の耳の後ろに水泡ができていたら、帯状疱疹による顔面神経麻痺の可能性が高いのだとか。すぐに耳鼻科、神経内科などを受診しましょう。
症状が表れたらまずは検査
顔が麻痺する病気は様々。なかでも、脳こうそくや脳腫瘍など脳の病気ではないことを、MRIやCT検査で確認することが必要です。その他、顔の麻痺する病気とも区別するために様々な検査をし、それでも原因が不明な場合にベル麻痺という診断になるそう。
後遺症が残る可能性アリ 早期の内服治療が必要
ベル麻痺は後遺症が残るかもしれない病気。早期に内服治療を行うのが効果的です。麻痺が軽度の場合は、大半の人は1~2カ月で完治するそうですが、麻痺が高度な場合、治癒率は80~90%程度で、麻痺が長期間残ったり、けいれんなどの後遺症が残る可能性もあるのだとか。麻痺し始めた最初の1~2週間は、無理に顔の筋肉を動かそうとせず、蒸しタオルなどで顔を温め、血流を良くするのが良いといわれています。
後遺症を残さないためにも、顔の筋肉がおかしいと思ったら、早めに病院へ。耳鼻科や、耳鼻咽喉科、脳外科、神経内科がおもに治療を行うそうなので、そちらを受診しましょう。
(文・山本健太郎/考務店)