【親の介護】遠距離介護を始める前に知っておきたいこと

親と離れて暮らす期間が長くなるにつれて連絡を取る機会が減り、1人暮らしの親が体調を崩していることに気づかなかったという方から相談を受けました。
 
遠く離れて暮らす親に介護が必要になったとき、仕事を辞めて実家に帰るわけにはいかないし、親を呼び寄せるのも難しいというケースは多いと思います。遠距離で通いながら介護をする可能性があるなら、事前に知って準備しておきたいことがあります。

1. 介護保険サービスについて知っておく

介護が必要になったら、公的介護保険制度の要介護認定を受け、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、それに沿って介護保険サービスを受けることになるでしょう。介護保険の範囲であれば、自己負担額は利用額の1割(親の所得によっては2~3割)となります。

 

介護保険の利用は、本人か家族が申請して要介護認定を受けることから始まります。窓口となるのは主に住所地を管轄する地域包括支援センターです。

 

地域包括支援センターでは、要介護認定を申請する前でも介護に関するさまざまな相談に乗ってもらえます。

 

帰省したときに相談に行って事情を話し、利用できるサービスや利用方法を教えてもらっておくと、いざというときに慌てずにすみます。相談に行くことで、親がひとり暮らしで介護の心配が出てきたことを知っておいてもらえるメリットもあります。

 

2. 親の身のまわりのことを知っておく

(1) かかりつけの病院や持病

親が入院して、急に呼ばれることも考えられます。病院では、今までかかった病気や持病、いつも飲んでいる薬などを聞かれますが、離れて暮らしているとわからないことが多いものです。どんな病気でどこの病院にかかっているのか、どんな薬を飲んでいるのか聞いておきましょう。できれば、診察に付き添って主治医にあいさつしておくと安心です。

 

(2) 健康保険証や介護保険証、診察券をどこにしまっているか

急に倒れて入院した場合、病院から健康保険証を持って来るよういわれることもあるでしょう。健康保険証や介護保険証、診察券も家のどこにしまっているか、分からないことが多いと思います。元気なうちにしまい場所を聞いて、目で見て確認しておきましょう。

 

(3) 近所で仲良くしている人のこと

体調や行動の異変も日ごろ親しくしている人だからこそ、分かることがあります。お友だちなどお世話になっている人には、親と一緒におみやげを持ってあいさつに行っておくと良いかもしれません。可能なら何かあったときに連絡してもらえるよう、連絡先を渡しておくと安心です。

 

(4) 介護で使える地域の制度

例えば、地域の民生委員と顔見知りになっておくと、見守りを手伝ってくれるでしょう。また、シルバー人材センターを利用すれば、手ごろな利用料で掃除や買い物、庭の手入れなどをお願いできます。

 

その他、介護保険制度以外でも、介護で利用できる自治体のサービスは市区町村によって違うことが多いので、自治体のホームページや地域包括支援センターで調べておきましょう。

 

関連記事: