石井かなこさん(28歳)は、生後9カ月の娘・えなちゃんの母親。育休中に通うことになった近所のリトミック教室では、1歳の男の子の母親・佐藤さとこさんと、生後9カ月の女の子の母親・谷川さゆりさんと同じクラスでした。初回のレッスンで、さゆりさんとは、子どもの名前や誕生日が同じなど共通点が多いことがわかり、意気投合。ふたりはレッスンのあと、ランチに行くような間柄になりました。ある日さゆりさんから、「義母にいびられ、子どもを義実家の養子にしろと迫られている」という衝撃の告白がありました。かなこさんは、さゆりさんをできる限り支えようと心に決め、「夫がモラハラで自由に使えるお金がほとんどない」というさゆりさんのために、ランチをするときは自宅に招くことに。翌週、かなこさんはさゆりさんを家に迎えるため、準備万端でリトミックの日を迎えました。
レッスンが終わり、ふたりでかなこさん宅へ。「お酒が飲みたい」というさゆりさんからのリクエストに応え、かなこさんはお酒やおつまみを準備していました。さゆりさんがご機嫌にお酒を楽しむ様子に、「えなちゃんのためにも、少しでもさゆりちゃんの力になれたらなって……」と、かなこさんは自身の思いを吐露しました。
すると、「じゃあさ、お願いがあるんだけど、お金貸してくれない?」と切り出すさゆりさん。突然のお願いに驚き、心の中で「いやいや、お金の貸し借りはだめでしょ!」と焦っていたかなこさんですが、「1,000円貸してほしい」というさゆりさんに拍子抜け。
思いのほか少額だったため、「1,000円って何を買うの?」と尋ねると、さゆりさんは「お米……買いたいの」と表情を曇らせ、申し訳なさそうに話し……。
お米も買えない!お金に困るママ友に…
1,000円を借り、お米を買いたいというさゆりさん。食費は2万円と決まっているものの、お義母さんが来ているとこもあり、お米が足りなくなったそう。
「旦那さんから追加でもらえないの?」とかなこさんが聞くと、「やりくりしなかったお前が悪い! 自分でなんとかしろと夫に突き放された」と話すさゆりさん。
「ひどすぎる……」
さゆりさんの話に強い憤りを感じたかなこさんは、「はいこれ。お米だよ。持って行って」とさゆりさんにお米を差し出しました。
そして、「返すのはいつでもいいから……」と1,000円札もさゆりさんに渡します。
なぜかお米をもらったときに曇っていたさゆりさんの表情は、パッと明るくなり、「ありがとう! うれしい! この恩は一生忘れない!」と歓喜。
「えなちゃんとさゆりちゃんのために使ってね」
かなこさんは、「友だち同士、親同士、助け合わなくちゃ」そんな気持ちで、さゆりさんにお金を貸したのでした。
お米も買えないさゆりさんの状況を知り、すぐにお米とお金を用意して渡したかなこさん。「えなちゃんとさゆりちゃんのためなら……」とさゆりさんのことはもちろん、子どもを案ずる気持ちがありました。
自分と同じように子育てをしている親同士、「子どもが食べるものに困るかもしれない」と感じたら、かなこさんのように「支援しなければ」という思いになるのもわかる気がします。さゆりさんを冷たく突き放した夫は、まずはわが子のことを第一に考え行動してほしいですね。
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著者:マンガ家・イラストレーター もち
配信: ベビーカレンダー(パパママ)
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