不倫を経た結婚で女性が幸せになれない理由とは?

第3回 略奪婚で幸せになれるのか
不倫をテーマにしたドラマや小説では、男性との色恋に溺れる女性のほとんどが最終的に家庭を捨て、その結果、子どもにも会わせてもらえず、深い後悔に苛まれる様子が描かれることが多いものです。

現実世界においても、男性よりも女性の不倫の方が、より厳しい視線に晒されがちです。しかし、なかには妻という立場を捨て、不倫関係を経て男性と結ばれる女性も存在します。

そうした女性たちは何を望み、不倫に走ってしまうのでしょうか? 夫婦問題専門家で、離婚カウンセラーの岡野あつこさんに聞きました。

●幸せそうな妻も不倫に走ることもある

そもそも結婚に求めるものと、不倫に求めることは違うと岡野さん。

「夫がいるのに不倫する女性というは、お金では得られない価値を求めています。私のところに来る相談者の方の多くは、旦那さんはお金持ちなのに、それでも別れたいと言っています。女性は損得も考えると言われますが、結婚は損得で選んでも、不倫も同じ損得ではないのです。たとえば、夫も一流企業に勤めていて、子どもにも恵まれて、はたから見たら幸せの象徴みたいな女性でも、『私が求めているのはこんな生活じゃない!』となることがあります」(岡野さん、以下同)

女性にとって不倫は“足りないものを埋める手段”としての意味合いが強く、そこを補ってくれるような男性を求めてしまうようです。

不倫を経た結婚で女性が幸せになれない理由とは?

●女性の不倫は“ないものねだり”

岡野さんによると、自分が何を求めているのか、何に幸せを感じるのか、という心理を把握できていないと、不倫を経て仮に結婚したとしても上手くいかないことが多く、結果として幸せを手に入れられないと指摘します。

「もし生活の安定を優先させて、スペックで男性を選んだ場合、『やっぱり私には愛が必要だわ』となってしまいがちです。逆に、愛を貫いて結婚しても生活にゆとりがなければ、『お金がある人と暮らしたい』と思うようになります。男性と違って女の人にとっての不倫というのは、人生に付加価値を与えてくれる娯楽のようなものではなく、ないものを満たす手段になりがち。なので、ないものねだりが続いてしまうことになります。そうならないためにも、自分が本当に欲しているものを冷静に見つめることが大切でしょう」

一時の感情に身を任せてしまっては、足りないものを探し求める日々を過ごすことになります。ひいては、家庭や子どもとの生活を失いかねません。

不倫に足を踏み入れそうな人、もしくはすでに踏み入れてしまっている人は、まずは本当に不倫を望んでいるのか、いまのパートナーとの関係を改善することはできないのか、必要であれば夫婦カウンセリングなどを受けることも視野に入れながら、自己を見つめ直すことが必要かもしれません。

(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

 岡野あつこ
 岡野あつこ
株式会社カラットクラブ、NPO日本家族問題相談連盟理事長
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。
夫婦問題研究家。24年間のカウンセリングにおいて、30,000件以上の夫婦問題の相談に携わってきた。後進のカウンセラー育成にも力を入れ、岡野あつこのライフアップスクールを開講。