猛暑日が続く夏場に欠かせないエアコンですが、使用するうえで気になるのが電気代ではないでしょうか。
少しでも節電しようと、エアコンの使い方を工夫する人が多くみられるなか、一見節電になりそうな方法でも実は逆効果になってしまう場合があります。
そこで本記事では、特に広く知られている「設定温度を1度上げる」「風量を弱にする」方法のどちらがより節電につながるのか紹介します。
実は勘違いだった? 風量を「弱」にする節電術
節電術のひとつとして浸透している「風量を弱にする」方法ですが、エアコンの仕組み上、むしろ消費電力の増加につながる可能性があるようです。
エアコンは室内機によって空気から熱を集め、室外機によって熱を外に出すことで室内の温度を下げています。特に室外機には、冷媒がスムーズに熱の受け渡しをするために温度や圧力を調節する役割があり、室内機以上に電力を消費しています。
風量を弱にするとエアコンの音が小さくなるため、消費電力が減っていると勘違いしがちですが、室外機が効率的に稼働せず室内の温度が下がるまでに時間がかかります。時間がかかればその分消費電力が増えるので、風量を弱にする節電術が逆効果になりかねません。
設定温度を「1度上げる」節電術は効果的
設定温度を上げる方法は、最も広く知られている節電術ではないでしょうか。エアコンは室内の温度を下げるためのものですから、設定温度を上げると節電につながると考える人は多くみられます。
環境省の「家庭でできる節電アクション」によると、夏の冷房時の温度設定を1度上げると約13%(約70W)の消費電力の削減になるとされています。
例えば、1kWh22.86円の場合、設定温度を27度から28度に変更すると年間で30.2kWhの節電、約700円の節約になるそうです。冬の暖房時にも同じことがいえ、温度設定を1度低くすると消費電力の削減になります。
このように、風量を弱にする方法は場合によっては逆効果になる可能性がありますが、設定温度を1度上げる方法は、少しでも消費電力を抑えるための節電術として効果的です。
配信: ファイナンシャルフィールド