「乳がんの原因」となる食べ物はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

「乳がんの原因」となる食べ物はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

乳がんの原因とは?Medical DOC監修医が乳がんの原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

「乳がん」とは?

乳がんは乳腺の組織にできるがんです。その多くは乳管から発生しますが、一部は小葉から発生します。また、乳腺以外の乳房の組織から発生することもあります。
進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れなどに乗って転移することもあります。転移しやすい場所は乳房の近くのリンパ節、骨、肝臓、肺、脳などです。
がんの症状が進み、悪化した場合には、腹水や胸水といって、お腹や胸に水が溜まるような症状を呈することもあります。また、治療が終わってからも、同じ側、またはもう一方の乳腺や、リンパ節に再発することもあります。
乳がんは男性にも発生することがあり、女性と同様、多くの場合乳管から発生します。男性乳がんに対する治療の流れは、基本的には女性乳がんと同じです。また、男性乳がんの予後は女性乳がんと比べて大きな差はありません。
乳がんの主な症状は、乳房のしこりです。自分で乳房を触ることで気付く場合もあります。ほかには、乳房にくぼみができる、乳頭や乳輪がただれる、左右の乳房の形が非対称になる、乳頭から分泌物が出るなどがあります。
食生活の欧米化などに伴い、日本でも、乳癌の罹患率と死亡率はともに増加しています。

乳がんの原因

乳がんのリスク要因としては、まだはっきりとしたことは分かっていませんが、その中でもいくつかの要因が考えられています。
そうした要因のうち、いくつかを紹介していきます。

女性ホルモンのエストロゲンに関連する要因

乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。
エストロゲンを含む経口避妊薬の使用や、閉経後の長期のホルモン補充療法は、乳がんを発生するリスクを高めることが分かっています。

そして、体内のエストロゲンに関連する要因として、以下のようなものがあるとされています。

・初経年齢が低い

・閉経年齢が高い

・出産経験がない

・初産年齢が高い

・授乳経験がない

こうしたリスクがある方は、特に30歳以降には乳癌検診などをきちんと受けるようにしましょう。

生活習慣や糖尿病の既往

飲酒、閉経後の肥満、運動不足といった生活習慣や、糖尿病の既往なども乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。
過剰な飲酒は肝機能障害の原因にもなりますので、厚生労働省の推奨する「適切な飲酒量」を守るようにしましょう。

お酒の種類
ビール
(中瓶1本500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎(35度)
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)

アルコール度数
5%
15%
43%
35%
12%

純アルコール量
20g
22g
20g
50g
12g

また、食事面ではカロリーのとりすぎに気をつけ、1日30分程度の運動を行い、肥満にならないようにしていきましょう。

遺伝的な要因

第一親等(自分の親または子)で乳がんになった血縁者がいる場合、乳がんのリスクが高いことが分かっています。
乳がんを早期発見、早期治療するためにも、乳がん検診を欠かさず受けることが望ましいと考えられます。
遺伝性乳がんの原因としては、BRCA1、BRCA2という遺伝子の変異が知られています。
一方、これらの変異があるからといって必ずしも発症するとは限りません。もし自分が遺伝性乳がんの素因を持っているか知りたい場合は、
遺伝医学などの専門家のいる施設で、遺伝カウンセリングや遺伝子検査を受けるのが良いでしょう。
このような専門家やカウンセラーなどが在籍している施設などの情報は、がん相談支援センターで確認することができます。

ストレス

ストレスが乳がん転移を促進するということも報告されています。
バーゼル大学とバーゼル大学病院の科学者らが、乳がんの転移とストレスホルモンの増加を結びつける分子機構を解明したという研究データがあります。
さらに、癌治療において抗炎症剤として頻繁に使用されるストレスホルモンの合成誘導体が化学療法の効果を低下させることも発見しています。
この研究では、乳がん患者にとってのストレス管理の重要性についても述べられており、適度な運動とリラクゼーション法は、乳がん患者の生活の質の向上と生存期間の延長に相関することが示されています。

良性の乳腺腫瘍になったことがある

乳腺に発生する腫瘍には、悪性腫瘍つまりがんの他にも、線維腺腫や葉状腫瘍といった良性の腫瘍があります。
良性腫瘍の中でも、増殖性病変のタイプの場合には、乳癌発症リスクを増加させることは確実であり、特に異型乳管過形成(atypical ductal hyperplasia)をはじめとする異型を伴う上皮内病変では乳癌発症リスクが高くなります。
ただし、日本人ではまだはっきりとわかっていないこともあり、さらなる研究が期待されています。

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