アジアの古典美術への憧れ!目黒の東京都庭園美術館で[アジアのイメージ 日本美術の「東洋憧憬」]展

アジアの古典美術への憧れ!目黒の東京都庭園美術館で[アジアのイメージ 日本美術の「東洋憧憬」]展

20世紀に、日本では美術家たちがアジアの古典美術に憧れた時期があったという。目黒の東京都庭園美術館では、当時の作品と、発想の源となった古美術品など約100点を集めた展覧会[アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」]を2020年1月13日(月・祝)まで開催中。

20世紀の日本は出土品流入でアジア古美術の魅力を再発見





左/《染付魚藻文壺》(重要文化財) 元時代 14世紀 東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives 右/《白釉鉄絵束蓮文瓶》 金時代 東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives

激動の20世紀を迎えていたアジアでは、鉄道の整備や革命、発掘調査などによって、朝鮮半島や中国から出土した考古遺物や古美術が日本に流入。1910~60年頃にかけて、日本の知識人や美術愛好家、美術作家たちはアジアの古典美術に憧れたという。

例えば朝鮮・平壌では漢代(中国:紀元前1~後3世紀)の楽浪漆器が発掘されたり、中国・河北省では磁州窯や定窯が調査されたり。やがて美しい伝世品(殷の青銅器、唐三彩・宋磁・元の染付・明の赤絵・李朝白磁など)が輸入されると、当時の実業家たちは競うように買い集めたそう。

この時代の日本人は、今のように博物館や教科書でアジアの古美術など見る機会もなかったので、まさに「新しい」古美術の魅力に気づかされたというわけ。今回の展覧会では、この時期にもたらされた古美術の名品を展示する。



石仏やチャイナドレスなど大陸文化への憧れを込めた作品も





左/杉山寧《雲崗5窟 如来像》1942年 ユニマットグループ所蔵 右/安井曾太郎《金蓉》 1934年 東京国立近代美術館所蔵

アジアの古美術にふれて創造の翼を羽ばたかせた画家や工芸家たちは、実際に海を渡りアジアへ。日本画家の杉山寧は、1942年に中国・大同の雲岡石窟を訪れ、当地の石仏を描いている。

当時の日本では“インド、中国の仏像や、日本の飛鳥時代の仏像は、古代ギリシャ彫刻の影響を受けている”という学説があり、口元に微笑みをたたえる表情「アルカイック・スマイル」という言葉とともに流行していた。杉山は、この言葉を体現しているような、やさしく微笑む仏像をモデルに。

また、洋画家・安井曾太郎は、近代の中国で西洋のドレスと中国のイメージを合わせて生み出された「チャイナドレス」に着目。「チャイナドレスの婦人」も、アジアへの新しい視線を活かした作品となっている。

ほかにも、李朝の白磁に無造作に描かれたような絵柄に心打たれた河井寬次郎や、唐三彩のナチュラルな釉薬の美しさに魅了された石黒宗麿など、当時の日本を代表するような陶芸家たちの作品が数多く並ぶ。

彼らは、古美術が持つ即興性や自然の美しさを意識的に取り入れることで、新しい陶器づくりを目指したと言える。その情熱を、実際の作品から読み取って。

さらに、3名の現代作家たちが今回の展覧会に合わせて制作した新作も展示されるので、こちらも見逃せない。



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