「強烈な悪臭」の乗客に悩む女性タクシー運転手、"ファブリーズ連射"でも臭いとれず…それでも「乗車拒否」しないワケ

「強烈な悪臭」の乗客に悩む女性タクシー運転手、"ファブリーズ連射"でも臭いとれず…それでも「乗車拒否」しないワケ

あまりに「ひどい臭い」の乗客に悩まされているタクシー運転手の女性が、SNS上で「風呂に入って」などと呼びかけた投稿が話題になっている。

投稿によると、あまりに強烈な臭いで、次の乗客を受け入れることができないレベルだったという。一緒に投稿した動画では、座席に何度も消臭剤をかけるところが映っている。その日の仕事にも影響が出てしまったようだ。

この運転手は、弁護士ドットコムニュースの取材に「ドライバーは人間。許せない臭いもあるんです」としながらも、「誇りを持っているから乗車拒否は簡単にできない」と話す。詳しいワケを聞いた。

●「2日に1回でいいからお風呂に入って…」

取材に応じた「さちゃたく」さん(@sachantaxi33ojo)は、元ギャル・元キャバ嬢という異色の経歴で、メディア出演も豊富なベテラン運転手だ。普段は、東京・八王子市など、南多摩エリアの駅を拠点としている。

さちゃたくさんは2月26日、自身のX上で、次のような「お願い」を呼びかけて話題になった。

「2日に1回でいいんです…お風呂に入ってください…

お洋服は洗濯した清潔な服を着てくださいませんか…

次のお客様が乗れない程臭いが残るんです…」

投稿のきっかけとなった乗客は、ある駅の利用者で、地元のタクシー運転手の間では「有名人」だという。

さちゃたくさんは、X上で「鬼ファブリーズしてから窓全開走行して休憩挟まないと営業不能でございます」としながらも、「運送約款を盾に拒否したところでローカル駅の別な仲間が犠牲になるから拒否もできず」と複雑な心境をつづっている。

ひどい臭いの乗客を受け入れた、さちゃたくさんが、それでも「乗車拒否」をしない理由について、弁護士ドットコムニュースの取材に語った。

●「許せる臭い」と「許せない臭い」の間にある違い

——「乗客の臭い」に困ることはありますか

タクシーは公共交通機関で唯一「ドアtoドア」ができる移動手段です。

自宅介護でお風呂に長く入れなかったお客様が、やっとの外出機会に利用してくれるのは、うれしいことです。そのような方に対して、臭いがしたとしても「風呂に入ってよ」と思ったりはしません。

乗車中に無言だったとしても、「肉体労働で汗かいて頑張ったんだろう」など、そのお客様の臭いから背景を想像して運転し、「明日も頑張れよ」と心の中でエールを送ります。

ですが、他人への配慮や努力を怠ってることが容易に判断される臭いは嫌いです。

——それはどのようなケースでしょうか

梅雨の時期の生乾き臭、強烈な臭いの柔軟剤、つけすぎた香水、シミだらけで異臭のする衣服の着用、わざと月単位の未入浴で強烈なアンモニア臭と頭髪の根元から毛先まで脂ギトギトで強烈な脂臭。

他にも、下痢を漏らしたけど乾いたから乗っちゃう人。おしっこがちょい漏れしたけど乾いたから乗っちゃう人。そんな人もいます。

ドライバーも人間です。他人への臭いの配慮や努力を怠ってる方はすぐわかりますし、気持ちのいいものではありません。

何よりドライバーの健康被害にもつながります。吐き気、目がシュパシュパしてしまうので、臭いの配慮をもっとしてほしいと切に願います。

タクシー業者が守る「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款」では、「旅客が車内を汚染するおそれがある不潔な服装をしているとき」に乗車を拒否することがある、と定められています。

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