●ベビーカーの構造やミルクの成分に強い関心を持つ
「製品の成り立ちとか仕組みを知りたい欲求がすごいです。私がお会いした化学系学部出身のパパの中に、粉ミルクの成分にものすごく食いついた人がいたんですよ。ミルクに含まれる『ヌクレオチド』っていう成分の配列を急に語り出して、『どこが赤ちゃんに良いんだろう?』って(笑)。あと、私の夫はIT系なのですが、ベビーカーを調べまくっていました。理系のパパはベビーカーを買う時に張り切っちゃうみたいです。振動とかタイヤの大きさ、コスパをしっかり比較したいらしいです。車と同レベルくらい、すごく考える人が多いって、理系夫を持つ妻たちは口を揃えて言いますね」(高世さん、以下同)
●臨機応変に優先度を変えられない
「家事と育児は同時進行で、効率の良さを考えながら、その都度やるべきことをやる必要がありますよね。でも、理系パパはやると決めた法則にそって物事を進めたい傾向にあると思います。たとえば、ある理系パパは洗濯物を干す時間を決めていて、その時間に子どもが泣き続けていても、洗濯物を干しきらないと気が済まない。彼は優先度を忠実に守っているだけって言っていましたが、奥さんにはこっぴどく怒られたみたいです。そういう頑固なところありますね」
●育児は意外と一生懸命…でも「研究」目線?
「子どもと一緒に遊んであげるよりは、ちょっと離れて子どものやることをじっと観察するのが楽しい、という理系パパは多いです。話せるようになった子どもには、『なんでそう思うの?』とか質問攻めして反応をみるなど、理系パパの育児の楽しみ方は、『子どもの言動を観察して研究する』ことなのだとか。いわゆる研究者気質なんでしょうね」
●トライアンドエラーを繰り返して成果を出そうとする
「たとえば、うちの夫も子どもが赤ちゃんのときに食べ物の好き嫌いをした際、子どもの口の大きさと柔らかさを研究していました。柔らかい方が食べやすいけど、あんまり柔らかすぎても顎に悪いとか、いろいろ考えたんでしょうね。その結果、毎週末、大根を煮るのを極めていました。実際、子どもも私が作るものより夫のものをよく食べていましたね。夫も『僕が考えたことで子どもが喜ぶと、研究が実ったようで嬉しい!』と言ってました。やはりイクメン以前に、研究者なんだな…と思いました(笑)」
【画像】『理系パパ ~ひとクセあるけど憎めない、理系なパパ10人のリアル育児まんが~』(マイナビ出版)より
●几帳面だけど予想外の事態は苦手
「何曜日の何時に子どもをお風呂に入れるなど予定通りに決めておけば、文句を言わずに手伝ってくれる人が多いみたいです。真面目な人が多いので、何ごとも計画的に進める方が気は楽なようです。また、凝り性なので一度やりだすと細かいことにも手を抜けないところもあります。たとえば、哺乳瓶のメモリを頑張って数えてきっちり測るとか、インターネットで世界の子育て術を集めて論理的に考察するとか、そういう“きっちりやること”は得意なようです。その反面、臨機応変に対応するのは苦手で、ママから突然『手伝って!』と声を掛けられるとフリーズしてしまうところがあるようです」
理系パパのあるあるネタ、いかがだったでしょうか? 一般的な感覚とはちょっとズレたような行動も、もしかしたら理系脳だからかも。ちょっと融通がきかなくても、真面目で一生懸命な理系パパたちなりの育児を、温かく見守ってあげましょう。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)