●理系パパの融通の利かなさと真面目さは紙一重!?
子育ては予定通りにいかないことばかり。その都度、子どもの様子を見ながら臨機応変に行動することが求められますが、理系パパたちにとっては、それが苦痛に感じてしまうこともあるようです。
「計画的に進まないことが苦手ですね。理系パパは柔軟さに欠けるため、育児期には揉めるママが多いみたいです。人間はコンピューターじゃないので、決まった通りに動かない。でも、特にITの人は突拍子もない赤ちゃんの行動に戸惑うんですよね。あとは育児マニュアルに書いてある通りの成長とは、ちょっと違うことがあると、納得するまでに時間がかかる。日々、これの繰り返しですね(笑)」(高世さん、以下同)
ただ、この融通の利かなさは、ときに「頼りになる」と感じられることにつながるようです。
「理系パパは頼んだことはしっかりやってくれると話す人が多いです。うちの夫も決めたら、本当にずっとやってくれるタイプで、体調が悪くても、担当であれば洗濯物を干してくれますね。さすがに、『そこまでしなくてもいいのに…』って思うんですけど、その生真面目さには、素直に感謝しています」
【画像】『理系パパ ~ひとクセあるけど憎めない、理系なパパ10人のリアル育児まんが~』(マイナビ出版)より
●理系パパは妊娠中から“新生活シミュレーション”がベスト
一方で、育児生活において理屈で理解&納得できないことが起きると、フリーズしてしまう理系パパもいるとか。そんな理系パパには、妊娠中からいろいろなシミュレーションをしておくことがおすすめとのこと。
「ママの妊娠中、パパも含めて家事と育児の分担、それにともなう生活のシミュレーションを話しあっておくと、お互いに気が楽になると思います。また、お腹が大きくなるにつれて、奥さんもだんだんと身動きが取れなくなるじゃないですか? そのときに、どんなサポートが必要なのかまで、細かく決めておくといいのではないでしょうか。理系男性は気が利くというよりは、決められたことに忠実。裏を返せば、何も言わないと何もしてくれない人が多いと思いますよ」
また、ママ必携の“手帳”に関心を持つパパも多い模様…。
「あとは、取扱説明書が好きな人が多いみたいで、母子手帳も私より夫の方がしっかり読みこんでいましたよ。これから生まれてくる赤ちゃんのことが、分かんないと嫌みたいなんですよ。心配になっちゃうみたいで。“赤ちゃんってかわいい”という感覚的なことよりも、比較的論理的に書かれている育児本を読んでもらうと、子育てスイッチが入るかもしれません」
反面、「察して欲しい」というママの感情的な要望はあまり通用しない模様。その分、論理的な会話には乗ってきてくれるので、出産までにしっかりとケースに応じたサポートをまとめておくことが大切なようです。また、意外と可愛らしい一面もあると高世さん。
「理系男性は一途な性格なので、奥さん大好きな人が多いんです。だから、奥さんに褒められるととても喜ぶようです。そこに付け込む……じゃないですけど、褒めることでポテンシャルを引き出すことはできるんじゃないでしょうか」
不器用ながらも、育児に真摯に向き合おうとする姿は、何ともいじらしいですね。誰しも得意なこと不得意なことはありますが、理系パパと協力して育児をするうえで、高世さんの考察がとても参考になりそうです。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)