元でんぱ組.incの夢眠ねむ、夫と二人三脚で向き合うはじめての育児。アイドル卒業後に目指したもの

元でんぱ組.incの夢眠ねむ、夫と二人三脚で向き合うはじめての育児。アイドル卒業後に目指したもの

女性アイドルユニット『でんぱ組.inc』を卒業後、小さな子どもや赤ちゃん連れでも気軽に訪れることができる『夢眠書店』を立ち上げた、夢眠ねむさん。昨年の秋には、第一子となる男の子を出産。4カ月になる息子さんと一緒にお店に出勤し、“書店”での子育ても楽しんでいます。今回は、夫であるバカリズムさんとの日々の子育てについて、また『夢眠書店』のこれからについて聞きました。

子育ての大切な連絡事項は、ホワイトボードを活用

――息子さんを無事に出産されて、退院後は産後ケアホテルに入って、2週間過ごされたそうですね。ご自宅に帰られて、その後の育児はどうでしたか?

夢眠ねむさん(以下、敬称略):最初は沐浴をするのもひと苦労でした。産院やホテルでは、沐浴はお願いすることが多くて、自分で入れるのは数えるほどしかやっていなかったんです。しばらくは、安全に息子をお風呂に入れるというのが、二人の中での大きな課題でしたね。

夫がいろいろ調べてくれて、空気で膨らますタイプのベビーバスを買ってくれて、沐浴の時は必ず、二人体制で入れていました。私は内心、一人でもできるかなと思っていたんですが、ある日夫を誘わずに一人で息子をお風呂に入れてしまったら、ちょっと寂しそうにしていて(笑)。それからは、「お風呂入れるよ!」と必ず声かけをするようにしました。

たぶん夫は、ママのようにおっぱいがあげられない分、お風呂に入れたり、おむつを交換したりと、自分ができることは積極的にやってくれようとしているんだと思います。おむつ替えなんて、私よりすごく丁寧にやってくれるんですよ。

私が食事を作っている間なども、マットに寝かせて寝返りの練習をしてくれます。私はお店でも息子とずっとベッタリですが、夫は仕事で日中は一緒にいられないし、夜も執筆などをしているので、帰ってきてからの隙間時間に存分に触れ合っていますね。

とにかく「かわいい、かわいい」で、息子を見つめる夫は、いつもめちゃくちゃニコニコ顔なんです。

――子育てで役立っているアイテムはありますか?

夢眠:私、スマホにメモをしたり、子育て記録をアプリで管理したりというのがちょっと苦手で。すぐに登録し忘れちゃうんですよね。それで、私も夫も、“書く”方が合っているなと。

夫が出産前に「何か欲しいものある?」と聞いてくれたので、「ホワイトボードが欲しい」とリクエスト。それが今、リビングにドーンと置いてあって、夫にワンオペを頼むときに、「最近のミルクの量は、150〜200ccです」や、「最近の息子は髪をつかむクセがあるけど、心配しないでください」とか、「なかなか泣き止まない時は、抱っこ紐をつけてとにかく抱っこをして、泣かせていると自然と寝ます」など、伝えておきたいメッセージを書いておくんです。

ホワイトボードって、実はすごく便利で、すぐに消して書き換えたり、追記したりできます。いざという時に、さっと見ることができるのもいいところなんです。スマホの場合、焦っていると、なかなか目的のページが出ないこともあるじゃないですか。

ホワイトボードの裏面には、誤飲したときの対処法や、いざという時の緊急連絡先、小児救急電話相談の番号なども書いておいています。ここなら、焦っていても探す必要がありません。

子育ての悩みをみんなでシェアして、自分の軸を決めていく

――今は、息子さんを夢眠書店にも連れて行って子育てをされているそうですね。そもそも、5年前に書店を立ち上げようと思ったきっかけはなんでしょうか?

夢眠:アイドルをやめて、次に何をやろうかなと考えたときに、元々大好きだったのでやるなら本屋だなと。ちょうどそのタイミングで、姉が子どもを産んで、友だちも出産ラッシュ。赤ちゃん連れでどこか遊びに行くときに、「ここ、どう?」と提案しても、「きっと迷惑をかけちゃうから…」と、まわりにすごく気を遣っている姿を目の当たりにしました。それって、本屋さんやブックカフェでも同じで、赤ちゃんが泣いてしまうと居づらくなってしまったり、赤ちゃんが本を破ってしまわないかと細心の注意を払わなくてはいけなかったりで、リラックスしていられる環境ではないですよね。また、子ども向けの絵本専門店もありますが、そこにはママ向けの本が一緒に置いてあるのかな?と思うこともあって。

そんなことを考えているうちに、“子連れでも気兼ねなく行ける本屋を作ろう!”と思いました。そうしたら、姉と一緒に働けるという思いもありましたね。また、友だちと遊ぶときに、「うちに来てよ!」とも言えるのもいいなと。書店開業を決めてからは、ママである友人たちに、何があったら便利かを聞いて、おむつ替えのスペースなども設けました。

――書店には、どんなお客さんが多いんですか?

夢眠:最近は、赤ちゃん連れのお客さんが本当に多くて、“赤ちゃんサミット”みたいになっています(笑)。赤ちゃん同士が一緒に遊べるのもいいですし、同じぐらいのお子さんを持つママたちと情報交換ができるので、私もすごく勉強になっていますね。

また、うちのお店は、女性一人の常連さんも多いんです。女子大生が「レポートやばい!」と言いながら勉強をしている横で、赤ちゃんが泣いていて、それでもみんなニコニコ。そういう光景を見ていると、ここは平和な空間だな〜と思っています。

――たくさんの人との出会いの中で、今の子育てに影響したり、役立ったりしていることはありますか?

夢眠:お客さんとの出会いを通して、いろいろな家族の形を知りました。もし自分が、何も知らずに家庭を持って子育てをしていたら、「こうあるべき」みたいなものができあがってしまったんじゃないかと思うんです。でも、お客さんであるママやパパを見ていて、「こういうの、いいな」とか「こんな子育てもありなんだ」と、気づくことができました。

たとえば、離乳食で悩んでいるママに「市販の離乳食でもいいんだよ」と他のママが助言していたり、「どのタイミングで、おむつのサイズを変えたらいいの?」などと相談しあったり。そうやってシェアし合うことで、自分の中で凝り固まっていた考えをほぐすことができますし、みんなの話を聞いた上で自分の軸を決められるのもいいなと感じます。こういう環境で子育てができることって、本当にラッキーだなと思いますね。

――夢眠書店は、これからどんなふうに続けていきたいと考えていますか?

夢眠:ママ友の付き合いって、ちょっと面倒なことってあるじゃないですか。深く付き合ってみたら、合わなかったとか。だから、うちのお店では、連絡先交換禁止の「その場限りのママ友会」をやろうと話しています。ママたちと話している中で、そういうアイデアが浮かんでくるんですよね。

今までは、私がママじゃなかったから気づかなかったこともあって、でもこれからは、自分がママになったからこそできることもやっていきたいなと思っています。

書店はこの夏で5年になります。お店の誕生とともに産まれた子は、もう5歳。おなかにいた子が歩いて走っておしゃべりしていたり、うちの名物メニューである「メロンクリームソーダ」で炭酸デビューをした子が、私に「好きな子ができた」とこっそり報告しにきてくれたり。高校生だった子は就職が決まってみんなでお祝いをしたり。本当にいろいろな人生を見せてもらっていて、うちの子も、みんなに見守られながら育つんだろうな〜と思いますね。

よく、「みんなで育てる、街で育てる」のが理想と言われるけど、それって現実的には難しいじゃないですか。それが、この書店の空間なら安心してできるんじゃないかなと思うし、みんなにとってそういう場所にできたらいいなと思いますね。

うちのお客さんたちは、赤ちゃん・子連れ優先というお店だとわかって来てくれるので、赤ちゃんが泣いていても、「お、肺を鍛えてるね〜!」という感じで、本当に微笑ましく見守ってくれるんです。そんな、赤ちゃんや子どもにやさしい場所として、これからも続けていきたいなと思っています。

関連記事: