幼稚なイメージはもう古い?「オノマトペ」で子どもとのコミュニケーションを“グッと”豊かに!体感イベントも開催中

オノマトペは誰でも使いこなせる?

「オノマトペは言い方や言う人の表情の違い、さらに動きを付けることによって、多彩なニュアンスを伝えることができますが、あまりにも独特すぎる音を選んでしまうと全く伝わらなくなります。鳥の鳴き声を『にょにょにょにょ』なんて表現してもきっと伝わりにくいですよね」と秋田先生。

全く新しい表現でも、音がうまくはまれば自由に表現することができますが、伝わりやすい範囲を見極めることも、オノマトペを上手に活用するポイントのようです。とはいえ、豊かな表現力がないと伝わりにくいかというと、そういうわけでもないよう。

「演技力や表現力による影響は多少あるとは思いますが、どんな人でもオノマトペを使えば、ある程度はニュアンスの差を伝えることができるという実験結果が出ています。本能的に習得できる言語なので、無意識に使いこなしているということなんですよね」。

だから気負わずにどんどん使ってみてほしいと秋田先生は話します。

子どもが成長した後のオノマトペ活用法

「実際、2〜3歳児に対してより、4〜5歳児に対しての方が、オノマトペの使用頻度が少なくなるというデータがあります。子どもが『ぴょんぴょん』という言葉を理解したなら『ぴょんしたね、飛んだね』とか『飛ぶよ、ぴょんするよ』なんて同時に並べたりして、『飛ぶ』という言葉を教えるといったことを、親御さんたちは無意識のうちにやっているようなんです」。

そうして大人が使う動詞などを習得した後も、子どもとのコミュニケーションや運動の習得、発想力を育てるなどのシーンでオノマトペは活用できると秋田先生は話します。

実技を教えるならオノマトペはぴったり

「ある程度成長した子ども相手でも、体育の授業や運動部の指導など、実技を教える場面でオノマトペは有効です。例えば何かを『ぎゅっと握る』というニュアンスを伝える時、『ぎゅ』を使わずに説明したら、とんでもなく長くなりますよね」と秋田先生は笑います。

共同作業で情報を共有する時も有効

子どもたちと共同作業をする時にも、オノマトペは細かいニュアンスまで共有するのに役立つと秋田先生。

「例えば運動会の練習などで、一斉に同じようにジャンプすることを伝えるなら、『ピョーン』と言ってジャンプして見せるのが一番早いですよね?息を合わせて一緒に何かを行う時などにもオノマトペはとても役立つと思います」。


オノマトペ処方展では、握力、ジャンプなど、オノマトペの効果を実際に試せるコーナーも

どんなイメージ?創作の場で発想力を育てる

「オノマトペは今までにないイメージや考えを発想するヒントにもなると思います。例えば『テケテケ』みたいな絵を描いてみようとか(笑)。今まで共通認識がないチャットアプリの着信音をオノマトペで表現してみようとか。なんかもっとしっくりくる言い方はないかな?って考えてみるのも楽しいですよね」。

使い方の自由度が高いオノマトペは、SNSなどでも日々新しい言葉が生まれています。新しいオノマトペの使い方を試してみることで、思いがけずモチベーションが上がったり、新しい人間関係が生まれたりすることもあるかもしれません。

そんなオノマトペの新たな可能性を「処方する薬局」をコンセプトに紹介した「オノマトペ処方展」が現在、青山にある「ITOCHU SDGs STUDIO」で開催中。オノマトペが持つ力を実際に体験することができる体験型の展示になっているので、子どもと一緒に足を運んでみては?

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