過ごしてきた時間は、子どもの胸の中に
ににも小学生になり、最近は本も読み聞かせている時間より、ににが自分で読んでいる時間の方が長くなりました。就寝前に絵本を読むのは、ににの日課となっています。
絵本の読み聞かせは、ににが1歳になる前くらいから、365日ほぼ休みなく、寝かしつけも兼ねて私がやってきました。仕事で疲れている時などにはこれがしんどく感じることもあり、継続には労力がいりましたが、子どもたちからの要望はあつく、読み聞かせとなると、ににはいつも山盛りの絵本を抱えてやってくるのでした。
「あと1冊だけ!」を何度も繰り返され、気が遠くなってしまった日もありました。ちょっと苦しいかもと思った時には、思い出していた言葉があります。それは何かの育児書に書いてあった専門家の言葉でした。
「子どもが絵本を“もっと読んで”と言ってくることがあったら、そこには“もっと一緒にいたい”という気持ちが込められています」
絵本の読み聞かせが終わったら消灯、あとは寝るだけ。もしかしたらにには、それは寂しいなと思ってくれていたのかもしれません。共有したいのは絵本の内容ではなく、むしろ時間の方なのかもしれない。そんな風に考えてみると、愛しい気持ちがこみ上げてくる。その気持ちを込めながら、読み聞かせていました。
昔読み聞かせていた本を読み返すと、当時が思い出される。過ごしてきた時間は、今もににの胸の中にあるようです。読み手としては、報われる瞬間でした。
<ライター/パパ頭>
高校で倫理を教えつつ、妻子との暮らしを描いた漫画を執筆、SNSで公開中。おっとり優しい長男と元気で愛嬌のある次男とに囲まれ、賑やかな毎日を送っている。著書は『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』(KADOKAWA刊)
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