離婚は結婚以上のエネルギーを必要とし、法的手続きや周囲への説明が想像以上に心身の負担を大きくします。
しかし、離婚の大変さを事前に知っておくことで、離婚のプロセスを少しでもスムーズに進めることが可能になります。
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1、離婚する際に大変だったこと
離婚の際に大変だと痛感することをご紹介します。
あるあるな内容なので、離婚経験者でも共感すること必至です。
(1)戸籍移動など離婚に関する手続き
何よりも大変だったことは、戸籍移動や手当に関する手続き、年金や保険の手続きなどを子連れで行うことです。
家庭裁判所や役所に出向いて、順番待ちをしながら子どもの面倒を見るのは本当に大変だという意見が多くあります。
役所や裁判所は平日の昼間だけの窓口になるため、仕事をそのために休まなければいけないことも大変でしょう。
(2)調停や裁判になったときの対応
離婚が話し合いでは決まらず、調停や裁判に発展した場合には大変になるでしょう。
手続きや実際に家庭裁判所に出向いての話し合いなどが面倒です。
子どもがいたなら尚更、預け先なども考えなければならず、大変になってしまうでしょう。
(3)親権についての話し合い
お互いに親権を欲しがった場合には揉めることになり大変です。
協議離婚ではお互いに譲らず、調停や裁判に発展する確率も高くなってしまいます。
親権について揉めることで、精神的にも落ち着かずに悩んでしまう女性は多いでしょう。
親権を持てなかった方の配偶者は面会交流を求めるため、取り決めも大変になるかもしれません。
子どもについての揉め事が離婚では大変です。
(4)養育費や慰謝料などのお金まわり
離婚をすることで、財産分与や慰謝料、養育費など必要なお金まわりの話し合いと取り決めがあります。
後から泣き寝入りしないように漏れなく話し合いを行い、公正証書などを作成する手間が大変です。
難しい内容なので、自分で取り決めるのは相当大変になるでしょう。
(5)引越しが何よりも大変
離婚に伴い、引越しを行うことが大変だったという方も大勢います。
婚姻中は共有財産かもしれませんが、家具、家電はどちらの物にするのかなどをいちいち相談して決めていかなければいけません。
そして引越しだけでも大変ですが、子どもの転校などが伴う場合にはその手続きも必要です。
(6)周囲への説明
離婚をするのは当事者ですが、周囲に説明しないわけにはいきません。
仲人や、両親・知人などには説明が必要です。
女性の場合には、苗字が変わるケースもあり、会社への説明なども必要になるでしょう。
そして苗字が変わることで、各種保険などの契約変更なども必要になってきます。
(7)生活が変わることへの気構え
離婚をすると生活が一変します。
住居が変わることもありますし、女性では苗字も変わる場合も多いでしょう。
既婚者という立場も変わりますし、とにかく昨日と同じ、ではないのです。
結婚と違い祝われる場面でもなく、大きな変化を背負うことへの気構えが大変という声もあります。
2、離婚届を提出する以外の離婚に必要な準備と手続き
では、実際に離婚を行うまでの大まかな流れを見ていきましょう。
必要な準備や手続きは山積しています。
もちろん離婚が成立してからもやるべきことはたくさんあるかもしれません。
(1)離婚後の生活向けた準備
最初に離婚を決意したなら、離婚話を切り出す前に離婚後の生活に向けた準備を行っておきましょう。
先に行うことで、離婚話もスムーズに進むからです。
あなたの本気度合いも配偶者に伝わるでしょう。
準備とは、住む家の確保や、仕事を探すことや貯金を蓄えることです。
離婚話に発展しても、「どうやって生活するんだ」と聞かれた場合にスムーズに答えられて話し合いでも揉める可能性が低くなります。
(2)離婚に向けた話し合い
次に配偶者に離婚の決意を話していきましょう。
準備が済んだ後なら、配偶者もすんなり離婚を受け入れてくれるかもしれません。
配偶者が話し合いの結果すんなり離婚を受け入れてくれたなら、協議離婚の成立です。
離婚の条件などの詳細を話し合っていきましょう。
ただし、配偶者が離婚に応じない場合には、調停離婚や裁判離婚に発展していくことになります。
(3)不動産の扱い
意外にも大変なのが不動産の扱いです。
持ち家の場合には、名義人が夫になっていたり、共有名義になっているケースが多いでしょう。
売却をして、財産分与をするのか、どちらかが出ていくのかで話し合いを行います。
その結果、名義人と居住者が異なるケースがあるかもしれません。
その場合には厄介です。
名義人は基本的には好きなタイミングで売却できますから、不動産の扱いについては慎重に相談してください。
また、購入時の保証人などになっているなら要注意。
離婚をしたとしても、そのままでは保証人の名前は残ったままです。
万が一、配偶者がローンの支払いをしなかった場合には、保証人であるあなたが肩代わりする可能性があります。注意したいポイントです。
(4)親権の取り決め
子どもがいるなら親権についても話し合うべき項目です。未成年の子どもには親権者が必要。
日本では親権は母親が持つケースが多いでしょう。
しかし、条件によっては父親が親権者になるケースもあるのです。
慎重に配偶者の意思を確認しておきましょう。
(5)面会交流の話し合い
親権が決まったなら、親権が持てない方の配偶者と子どもとの面会交流についても話し合っておきましょう。
夫婦が離婚をしても、子どもにとっては、いつまでも親です。
面会交流は子どもに対する正当な権利。
親のエゴで取り上げないようにしましょう。
しっかり面会交流を相手に認めてこそ親権を裁判所も認めてくれます。
もしも親権で揉めている場合には、相手に対して面会交流を認めるほうが有利になるでしょう。
(6)財産分与や養育費、慰謝料について
次にお金についてもよく相談しておきましょう。
夫婦で築いた財産は財産分与で折半できることになっています。
婚姻前の財産は個人のものですので、安心してください。
もしも夫の浮気が離婚の原因などであれば慰謝料も請求できます。
適切な金額を話し合い、合意してもらいましょう。
養育費についても同様です。
お互いによく話し合って金額を決めることが大切です。
後から取り決めが守られなかったときのために、公正証書の作成を忘れないでください。
公正証書は判決等と同等の強い効力があるため、裁判を経ないで強制執行できます。
(7)調停や裁判
協議離婚では決着がつかないケースでは、調停離婚や裁判離婚に発展する恐れがあります。
離婚が大変になるのは離婚の話し合いが揉めて、裁判へと発展した場合です。
法律問題に詳しくない一般の主婦などの場合には、どうしたらいいのかわからなくなってしまう可能性があります。
調停や裁判に発展したなら、迷わずに弁護士などに相談し、面倒な手続きや裁判などを代理で行ってもらうと大変さが半減するかもしれません。
配信: LEGAL MALL