過払い金返還請求にデメリットはある? ブラックリストに載る?

過払い金返還請求にデメリットはある? ブラックリストに載る?

過払い金返還請求にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

そもそもデメリットはあるのか?
あるとしたら何とかデメリットを回避できないか?

ということが気になりますよね。

本記事では、

過払い金請求の一般的なデメリット
どのような条件を満たせばデメリットが生じないか

ということについて解説していきます。ご参考になれば幸いです。

過払い金に関してはこちらの記事をご覧ください。

1、過払い金返還請求のデメリット〜ブラックリストに載る?

よく「ブラックリスト」と言われますが、これは信用情報機関が行う返済能力に関する情報のことです。

つまり、貸金業者がお金を貸しても返済が難しいと思われる方が信用情報機関に情報を掲載されることとなり、いわゆる「ブラックリストに載る」こととなります。具体的には、債務整理(自己破産・民事再生・任意整理・特定調停)の事実や返済の遅れなどの事実が発生した場合に、ブラックリストに載ることになります。

信用情報機関(ブラックリスト)は、貸金業者がお金を貸しても返済が難しい人に対してお金を貸してしまい、貸し倒れを防止する点にあります。そのため、ブラックリストに載ってしまうと、5〜7年間程度お金を借りることができなくなってしまいます。もっとも、ブラックリストはあくまで信用情報機関が貸し倒れを防ぐための情報なので、仮にブラックリストにのったとしても、家族に知られることはないでしょう。

そうすると、気になるのが過払い金請求をした場合にもブラックリストに載ってしまう?ということではないでしょうか。

以前は、過払い金請求をした場合にも信用情報機関に「契約見直し」等の情報が登録され、ブラックリストに載ってしまうことがありました。そのため以前は、ブラックリストに載らないために完済してから過払い金を請求する、という手法が採られていました。

しかし、そもそもの問題として、過払い金請求というものは債務整理と性質が異なります。

これを受け、金融庁は「そもそも信用情報とは支払い能力に関する情報であり、過払い返還請求の有無は信用情報ではなく信用情報機関に掲載されるべきではない」という見解を示しました。

これにより、過払い金請求があった際に、信用情報機関に履歴が登録されることがなくなりました。

ちなみに、以前過払い金請求したことがある方で、もし、登録されるはずのない自分の過払い金返還請求の履歴が信用情報機関に「事故情報」として残ってしまっている場合、登録を消してもらうことが可能です。

具体的な方法としては、事故情報の届出をした会社(貸金業者)に対して、「事故情報取り消し申立書」を出してみましょう。出し方は郵便などでよいでしょう。

A4の用紙1 枚程度に一般的な書式でいいかと思いますが、そこに

過払い金請求とこれに伴う金銭返還の事実(和解の事実なども含む)
事故情報の記載の事実
事故情報の取り消しの要求(過払い金を返還してもらっただけで、債務整理ではないことを理由とする)
 14日間以内に取り消されなければ、金融庁への行政指導の申し立てをする旨の通告

などを記載するとよいでしょう。

詳しくは、過払い金請求でブラックリストに載らない人の特徴とは?をご覧ください。

2、自分で過払い金請求する場合のデメリット

ここまで読んで頂いて、「ブラックリストもそんなに心配ないな、よし、過払い金請求してみよう!」と思われた方の中には、「弁護士に依頼すると料金が高そうだから自分で請求しよう」という方が多いかもしれません。

しかし気をつけて下さい。自分で請求する場合には以下の 3つのデメリットがあります。

(1)時間・手間がかかる

そもそも、過払い金請求は以下の流れで進みます。

金融業者へ取引履歴開示請求
取引履歴を踏まえて引き直し計算
金融業者へ過払い金請求
金融業者と電話和解交渉
裁判所へ過払い金返還請求訴訟提起(この段階で和解が成立する場合は⑦へ。この段階で和解が成立しない場合は⑤へ)
過払い金返還金額の和解交渉
過払い金の返還

このように、過払い金を回収するまでには様々な手続きが必要となります。

よって、ご自身で過払い請求するデメリットとしては、多大な時間と手間がかかる、ということが上げられます。

(2)家族に借金していたことが知られてしまう可能性がある?

もし、ご自身で過払い金請求される場合、貸金業者や裁判所とのやり取りの書面は、基本的にご自宅に届くことになります。

そのため、借金をしていたことを家族に知られてしまう可能性があります。

(3)不当に低額の和解金額を提示される?

貸金業者の過払い金の交渉担当者は言わば交渉のプロであり、個人で請求してくる方に対しては専門家(弁護士・司法書士)に対する場合と比較して、強気の交渉をしてきます。

具体的には、本来発生している過払い金の金額よりも少ない金額での和解を要求してきます(場合によっては、払わないということもあります)。

この点もご自身で過払い金請求をするデメリットといえるでしょう。

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