チャイルドシートの設置は義務
新生児や幼児を車に乗せるときは、チャイルドシートを設置する必要があります。
選び方を紹介する前に、まずはチャイルドシートの重要性や何歳まで必要なのかを確認していきましょう。
6歳未満は幼児用補助装置が必要
道路交通法第71条の3第3項には「幼児用補助装置(チャイルドシート)を付けていない6歳未満の子どもを車に乗せて運転してはいけない」という旨が記載されています。
一般的に、車のシートベルトは大人の体格に合わせて作られているため、乳幼児の小さな体をしっかり固定できません。
そのため、車が急停止したときに、子どもの体がシートベルトをすり抜けて投げ出されてしまう可能性があります。
しっかりとチャイルドシートを使用して、子どもの安全を守る必要があるのです。
チャイルドシートの種類と適用年齢
チャイルドシートは「ベビーシート」「チャイルドシート」「ジュニアシート」の3種類に分けられます。それぞれの特徴や適用年齢をみていきましょう。
新生児から使えるベビーシート
ベビーシートは、0~1歳ごろに使用するチャイルドシートです。
首が安定していない新生児の体に合わせ、シートが後ろ向きになっている「シートタイプ」と、シートを水平に調節できる「ベットタイプ」に分けられます。
商品によって身長や体重の目安は異なりますが、一般的に身長70cm・体重10kg前後が目安として設定されていることが多いです。
幼児期に使うチャイルドシート
チャイルドシートは、首が安定し始める1歳から、1人で落ち着いて座れる4歳までの子どもに対応しています。
ベビーシートとは反対に、シートが前方へ向いているため「前向きシート」とも呼ばれており、長時間座っても体が痛くなりにくい「3Dサポートクッション」付きのシートが人気です。
チャイルドシートは、身長65~100cm・体重9~18kgが目安となっています。
学童期に使うジュニアシート
ジュニアシートは、4~12歳までの子ども向けに作られたシートです。
主に、車のシートベルトと子どもの体の高さが合うように、子どもの座高を調節する用途で使われています。
チャイルドシート同様に、背もたれが付いているタイプと、背もたれが付いていない「ブースターシート」があります。
ブースターシートは、コンパクトで場所をとらない上に、値段が低く設定されているものが多いのが特徴です。
失敗しないチャイルドシートの選び方
商品によって、性能や適応年齢は異なります。子どもの成長に合わせたチャイルドシートを選ぶためには、次のポイントを押さえておきましょう。
年齢と体重でタイプを選ぶ
まずは「何歳の子どもに対応しているか」「体重の目安はどのぐらいか」というポイントをチェックしましょう。
年齢や体重に合っていない商品を選んでしまうと、子どもの体が固定されなかったり、逆にきつすぎたりすることもあります。
購入する前に、商品に記載されている対象年齢や適応体重をしっかりと把握して、フィット感と安全性を見極めましょう。
車への取り付け方や安全基準も材料に
チャイルドシートには、金具で簡単に取り付けができる「ISOFIX方式」の商品と、「車のシートベルトを使って取り付ける」商品があります。
ISOFIX方式の商品は、車の座席のISOFIXアンカーにはめるだけで簡単に固定できるため、手軽さと安全性を重視したい人におすすめです。
ただし、ISOFIXアンカーが設置されていない車もあるため、シートを置きたい車にISOFIXアンカーが設置されているかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
ほかにも、安全基準をクリアした商品が取得できる「Eマーク」の有無も重要なポイントです。
日本で販売されているシートはほとんど「Eマーク」付きの商品ですが、通販などで取り寄せる場合は、注意して見ておきましょう。
【国土交通省】未認証チャイルドシートにご注意!|チャイルドシートコーナー
使い勝手や衛生面をチェックしよう
1歳までの赤ちゃんが使用するベビーシートのなかには、本体を360度回転できるタイプの商品があります。
スペースの限られた車のなかでは、赤ちゃんを乗せたり降ろしたりする作業はむずかしいものです。
回転するものを選べば、作業スペースを確保しながら乗せ降ろしができるのでスムーズです。
幼児期から使用するチャイルドシートは、背もたれを調節できる「リクライニング機能」があると長時間の移動でも楽な体勢で過ごせます。
また、カバーが丸洗いできるタイプは、子どもが飲み物や食べ物をこぼしたり、汗をかいたりしたときも安心です。
2人目を考えるなら長期対応モデル
「子どもは2人以上ほしいな」「買い替える費用を抑えたい」という場合は、長期対応モデルを選びましょう。
0~4歳まで使える乳幼児兼用モデルや、1~12歳まで使える幼児・学童兼用のモデルも販売されています。
長期対応モデルは、部品を取り付けたり外したりすることで、幅広い年齢の子どもが使用できる構造になっており、子どもが成長しても買い替える必要がありません。
1人目の子どもがチャイルドシートを卒業しても、2人目の子どもがおさがりとして使えるため、費用も抑えられます。
まとめ
チャイルドシートは運転中に子どもの安全を守る重要な役割を持つアイテムです。
購入する前に、子どもの年齢や体重、機能性や安全性をよく確かめて、快適かつ安全なドライブをめざしましょう。