読み聞かせって効果ある?効果ない?絵本の選び方と上手に読むコツ

第26回 子どもに喜ばれるプレゼントを選びたい!
絵本の読み聞かせは親子に多くのメリットやプラスの効果をもたらします。子どもの想像力や表現力を育むだけでなく、親子の絆を強め、コミュニケーション不足を解消するのにも役立つでしょう。絵本を選ぶときのコツや読み聞かせに役立つヒントを紹介します。

読み聞かせに期待できる効果は?

普段、どんなに忙しいママ・パパでも1日10~15分程度なら時間を確保できるのではないでしょうか。そのくらいの時間があれば読み聞かせは十分に可能です。食事の後や就寝前などにちょっとした時間のやりくりで、読み聞かせの時間を確保して、子どもの想像力や感受性を育んでみてはいかがでしょう。

親子間の最高のコミュニケーションに

読み聞かせは親と子の貴重なコミュニケーションやスキンシップの場であり、絆を強める絶好の機会です。

親との触れ合いのなかで、膝の上に乗ったりして読み聞かせをすると、子どもは自分が愛されていることを理解します。パパ・ママも子どもの温もりでリラックスし、1日の疲れやストレスが和らぐように感じるでしょう。

読み聞かせによる親子のスキンシップは互いの信頼感を強め、良好な親子関係の構築の大きな力になってくれます。同じテーマを共有ですることで、会話にもつながるでしょう。

特に、小学校に上がると親子で一緒に過ごす時間がこれまでよりも短くなります。1日数分であっても読み聞かせの時間があれば、親子にとって貴重なコミュニケーションのひとときになるかもしれません。

想像力・感情を豊かにする

絵本のなかで、子どもたちは様々な感情を体験します。楽しい・うれしいというポジティブな感情はもちろん、悲しい・怖い・かわいそう・ドキドキするなど、普段あまり体験したことのない気持ちも湧いてくるはずです。

幼少期にたくさんの絵本に触れた子どもは、感情や感受性が豊かになると言われますので、他人の気持ちが分かる優しさを身につけてくれるでしょう。

ストーリーが映像化されたTVアニメでは子どもの想像力は磨かれませんが、聴覚を主体として情景を思い浮かべる読み聞かせは子どもの「想像力」を養います。想像力の豊かさは、学校や社会に出たときにも役立つはずです。

語彙力を伸ばす効果も期待

人の語彙力は幼児期や児童期にどれくらい多くの言葉に触れたかによって決まると言われています。日々の絵本の読み聞かせは「語彙力」を伸ばす手助けにもなるのです。

赤ちゃんのうちは、言葉はほとんど理解できませんが、赤ちゃんの脳は毎日ものすごいスピードで成長していますので、繰り返し読み聞かせをしているうちに徐々に意味がつかめるようになります。

語彙力は、読む・話す・聞く・書くなど、様々な能力の基礎になるものです。語彙力が増えると自分の感情や考えを相手に伝えられますし、他者とのコミュニケーションも円滑になります。

読み聞かせる絵本はどう選べばよいの?

まっさらな子どもの心や脳は、スポンジのようにいろいろなものを吸収します。幼児期や児童期には良い絵本をたくさん読んであげたいと思うのが親心でしょう。

読み聞かせの絵本を選ぶときは、親が一方的に押し付けないようにして「子どもの年齢」と「子どもの興味」を優先するのがポイントです。

年齢に合わせた本を

絵本は、子どもの年齢に合った1冊を選びましょう。1~2歳までは、本を読んであげるというよりも「言葉を聞かせること」が目的になるでしょう。「音のリズム」や「響き」が楽しめる絵本を選ぶのがおすすめです。

2~3歳になると、短いストーリーが理解できるようになります。日常生活を題材にした絵本や簡単な昔話絵本などにも興味を持ち始めるため、子どものペースに合わせて読んであげたいところです。

3歳以上になると、言葉の理解度が飛躍的に上がり、読みたい本を自分からリクエストをするようになります。興味の幅を広げてあげるつもりで、好きな本を選ばせましょう。

幼稚園や小学校に入った後は、絵が少ない本を読み聞かせることで「想像力」が育まれます。

子どもが面白いと思えるものが一番

「語彙力を増やしたい」「表現力を伸ばしたい」など、大人の思惑は様々ですが、子どもと大人が読みたい本には差があります。

興味のない本を押し付けられれば、お勉強感が出てしまい、読み聞かせはもちろん、本自体に興味がなくなってしまうことも考えられます。大切なのは「子どもが読みたい本を選んであげること」です。

特に、3歳ごろになると、好みがはっきりしてきて「キャラクターの絵が描いてあるものがいい」「これは読みたくない」と意思表示をするようになります。

あれはダメ、これはダメと言わず、一緒に本を選ぶなどして、子どもの意思を尊重してあげましょう。

いつまで読むべき?上手な読み方とは

子どもが小学校に上がるころには、自分で本が読めるようになります。「読み聞かせイコール未就学児まで」というイメージがありますが、いつまで読んであげるべきなのでしょうか?

子どもが「読んで」と言わなくなるまで

読み聞かせの卒業の時期は人それぞれです。子どもが、読むことを催促しなくなるまで続けるとよいでしょう。

「小学生になったのだから自分で読んだ方が勉強になるのでは?」と思う人もいますが、子どもにとって「文字を読むこと」と「話を耳で聞くこと」はまったく違った体験です。

小学生でも読み聞かせが大好きな子どもはたくさんいますし、パパ・ママとのコミュニケーションを楽しみにしている子も少なくありません。

小学校になると「本読み」の宿題が出されるようになります。自分で本を読み、達成感を覚えるようになると、自然と読み聞かせからは卒業していくでしょう。

質問・感想を聞かない

読み聞かせをしているときに子どもに質問をしたり、話し掛けたりするのは好ましくありません。

子どもは絵本のなかにどっぷり浸り、主人公や物語の世界に感情移入をしています。大人が声を掛けてしまうことで集中力が途切れ、現実に引き戻されてしまう恐れがあります。

ただし、読み聞かせの途中に子どもの方から話し掛けてきたときは、しっかりと応えてあげましょう。

また、子どもの読解力を把握したいという理由から、読み聞かせの後に感想を述べさせるママもいます。子どもは「話を覚えておかなくちゃ」と緊張を強いられ、純粋にストーリーが楽しめなくなってしまうケースもあります。

読み終わった後は「楽しかったね」と会話する程度にとどめましょう。

感情を込めずに淡々と

読み聞かせのときは、感情を込めずに淡々と読むのが良いとする説もあります。

パパやママがオーバーアクションで読み進めてしまうと、子どもはそちらにばかり気をとられてしまい、物語の内容がじっくり味わえなくなるというのが理由です。

子どもはお話のなかで「悲しんでいるのかな」「喜んでいるのかな」と、登場人物の心情を自分なりに想像しています。

声色を変えたり、夫婦で演じ分けをしたりすると、心情を察する必要がなくなり、子どもの想像力が伸びにくくなる可能性もあります。

子どもを喜ばせたい一心でアドリブや激しい抑揚を取り入れたい気持ちも理解できますが、激しさや誇張を取り入れた演出過剰一辺倒になりすぎるのには注意が必要です。

まとめ

絵本の読み聞かせは、親子にとってたくさんのメリットがあります。乳児期からたくさんの絵本に触れさせることで、感受性豊かに成長していくでしょう。

小学生になると「甘やかしてはいけない」という理由で読み聞かせをやめる家庭もありますが、読み聞かせは親子の大切なコミュニケーションの時間です。子どもが自分で本を読むようになるまで続けてあげるとよいでしょう。