ハロウィン絵本の読み聞かせポイント
ハロウィンは欧米発祥の文化ですが、近年は大人と子どもが一緒に仮装をして楽しめるイベントとして日本でも定着しつつあります。
10月31日が近づくと書店には多くの「ハロウィンの絵本」が並びます。子どもの年齢や理解度に合った1冊を選びましょう。
子どもの年齢に合った絵本を選ぶ
絵本選びでは「内容が子どもの年齢に合っているか」が大切です。
2歳以下の子どもは言葉がまだしっかりと理解できないため、ストーリー性よりも「言葉の持つ響き」や「リズム感」をより重視する必要があります。
2~3歳になると、日常の積み重ねで語彙力も少しずつ増え、話の筋を追うことができるようになるでしょう。挿絵と話がマッチした絵本は子どもを物語の世界へと引き込みます。
4歳以上の子どもには、ストーリー性の高い「物語絵本」が最適で、ハロウィンの由来を物語風にアレンジした絵本にも興味を示します。
好きな物と嫌いな物がはっきりとしてくる時期なので「どの本がいい?」と子どもに選ばせてあげるのもよいでしょう。
親子で楽しむことが大事
絵本を読み聞かせるときは、パパやママも一緒になって楽しみましょう。
子どもは親の声のトーンや表情から気持ちを読み取っています。「疲れたな」「つまらないな」と義務感にとらわれて読んでいると、子どもにもそれが伝わってしまいます。
子どもの想像力を邪魔しないようにナレーションのように落ち着いた口調で読んだり、場面によって声色を変え読み方に強弱を付けたりするなど読み方は様々です。同じ内容でも読み方ひとつで印象が大きく変わり、子どもは毎回違った反応を見せるようになるでしょう。
絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーション不足を解消させる場であるとともに、子どもの成長が確認できるよい機会ともいえます。
ハロウィンに読みたいおすすめ絵本
「ハロウィンって何?」という子どもたちの疑問に答えてくれるおすすめの絵本を紹介します。ハロウィンの起源やパーティーの料理など、様々な豆知識が学べ、大人も目からうろこです。
由来を分かりやすく 主婦の友社『ハロウィーンって なぁに?』
主婦の友社『ハロウィーンって なぁに?』はハロウィンの由来を物語で分かりやすく説明した絵本です。魔女のビビがおばあちゃんのお話を聞くという設定になっており、子どもは絵本のなかにすんなりと入っていけます。
かぼちゃのランタンの作り方やハロウィンの仮装方法など、実際のハロウィンで使える情報が盛りだくさんで、子どもはもちろん、大人でも楽しめるでしょう。
語彙力や表現力がある程度身に付いた3歳以上の子どもに向いています。
こわがりな2人の話 文溪堂『ハロウィンドキドキおばけの日!』
物語は、怖がりのレイの家に怖がりおばけのシェイクが迷い込んでくるところから始まります。文溪堂『ハロウィンドキドキおばけの日!』は怖がりな2人が、いじわるなドラキュラのブルードをやっつけるストーリーが展開され、子どもはドキドキが止まりません。
ハロウィンの起源やハロウィンパーティーの料理、おまじないなど、ハロウィンを楽しむためのアイデアも満載です。絵本を読み終えた後に子どもと一緒にハロウィン料理に挑戦するのも楽しいでしょう。
幼稚園や保育園に通い始めた4歳以上の子どもに向いています。
お化けや魔女が出てくるハロウィン絵本
ハロウィンの主役といえば、吸血鬼や魔女などの「お化けたち」です。子ども向けの絵本に登場するお化けは、どれもユニークで親しみやすさがあります。怖い物が嫌いな子どもでも楽しく読み進められるでしょう。
かわいいお化けたちが登場 BL出版『大食いフィニギンのホネのスープ』
ヨーロッパに伝わる民話「石のスープ」をハロウィン風にアレンジしたのがBL出版『大食いフィニギンのホネのスープ』です。
みんなに恐れられている大食いのガイコツが主人公で、魔女やゾンビ、ミイラなど、ハロウィンでおなじみのお化けがたくさん登場します。
キャラクターはどれもユニークで、お化けが嫌いな子どもでもワクワクしながら読み進められるでしょう。カンブリア・エバンスが手がけたセンスのある絵や色遣いは大人でも見ていて飽きません。
おとぎ話とハロウィンの雰囲気の両方を楽しみたい子どもにおすすめです。
ハロウィン版のおおきなかぶ 主婦の友社『おおきなかぼちゃ』
主婦の友社『おおきなかぼちゃ』はハロウィンを目前に、とてつもなく大きく育ったかぼちゃをお化けたちが力を合わせて引き抜くストーリーです。かぼちゃがびくともしないなか、最後に現れた1匹の小さなこうもりがよいアイデアを提案します。
ロシア民話の「おおきなかぶ」を思い起こさせる内容で、怖いはずのお化けがユーモア満点に描かれているのが特徴です。
ストーリーは形式的ですが、魔女とお化けたちのハッピーストーリーに心が温かくなるでしょう。2歳から小学生までの幅広い年齢層に対応しています。
絵がとってもかわいいハロウィン絵本
子どもに絵本への興味を持たせるには「絵」にインパクトがあることが重要です。絵がかわいい絵本はお気に入りのぬいぐるみと同様に、子どもに安心感や親しみやすさを与えるでしょう。
ジョージのお化け探し 金の星社『アニメおさるのジョージ ハロウィーンのおばけ』
半世紀にわたり、世界中で親しまれてきた絵本といえば『おさるのジョージ』です。
金の星社『アニメおさるのジョージ ハロウィーンのおばけ』は、そのジョージが「ハロウィーンのお化けって本当にいるの?」と疑問を持ち、友だちと一緒にお化け探しをするストーリーです。
アニメーションを見ているようなカラフルな色彩とジョージのかわいらしい表情に子どもたちは夢中になるでしょう。
この本がきっかけに、おさるのジョージのシリーズがもっと読みたくなるかもしれません。
・Amazon:アニメおさるのジョージ ハロウィーンのおばけ
みんなはどんな変装? 岩崎書店『ペネロペおはなしえほん」
この絵本の主人公のペネロペは、幼稚園に通う3歳のコアラの女の子です。
本作品は、ハロウィンの日に魔女に変装して幼稚園に行くというごくシンプルなストーリーですが、仮装をする楽しさやハロウィンパレードの様子が伝わってくる内容です。
原作のアン・グットマンとゲオルグ・ハレンスレーベンは夫婦で、他にも『リサとガスパール』シリーズが有名です。夫ハレンスレーベンが描く挿絵は色彩が豊かで、子どもの芸術的な視点を育てるのにも役立つでしょう。
楽しい仕掛けがある人気のハロウィン絵本
絵本に細工が施された「仕掛け絵本」は子どもたちの好奇心を刺激します。ハロウィンの絵本にはどんな仕掛けが隠れているのでしょうか?子どもと一緒にワクワクしながらページを開きましょう。
飛び出す仕掛け絵本 大日本絵画 『ほねほね がいこつ やってきた』
2013年に出版された大型の仕掛け絵本です。主人公は2人のガイコツで、ハロウィンの仮装をした子どもたちに紛れ「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」と街を歩き回ります。
絵が飛び出す仕掛けが施されており、ストーリーが分からない小さな子どもでも楽しめるでしょう。
ガイコツというとおどろおどろしい印象がありますが、イラストはポップで親しみやすく、色彩も鮮やかです。
ディズニーが好きなら 大日本絵画『ミッキーのハロウィン』
大日本絵画から出版されている「ディズニーめくりしかけえほん」シリーズのひとつです。
魔女やプリンセスに仮装をしたクラブハウスの仲間たちとハロウィンパーティーを楽しむストーリーで、1冊10ページのなかに、50カ所以上ものめくりが用意されています。
おいしそうなお菓子を探したり、おばけのお家に隠れているキャラクターを見つけたりして、ハロウィン気分を味わいましょう。ディズニーらしい鮮やかで明るい色彩にも注目です。
まとめ
仮装してお菓子をねだるハロウィンは、日本の子どもたちにとって身近な行事になりつつあります。
「ハロウィンって何?」という子どもには、ハロウィンの由来や仮装の仕方などがシンプルに描かれた絵本がおすすめです。
ボキャブラリーが増えてくると、子どもたちはよりストーリー性を重視するようになります。年齢に合った1冊を選んであげましょう。