ananやPOPEYEの雑誌デザインの魅力が詰まった展覧会。レトロで可愛いイラストも|島根県松江市

ananやPOPEYEの雑誌デザインの魅力が詰まった展覧会。レトロで可愛いイラストも|島根県松江市

こんにちは!りんです!
松江市の島根県立美術館で開催中の、1970年代創刊の『アンアン』や『ポパイ』の雑誌デザインの仕事の魅力がつまった展覧会に行ってきました!

雑誌の内容についてはあまり詳しく知らなかったのですが、もう一度行きたいと思うほど楽しい展覧会でした!

『アンアン』『ポパイ』のデザイン新谷雅弘の仕事

雑誌のレイアウトやフォントなど、雑誌デザイン(エディトリアルデザイン)の魅力を実際に当時の誌面を見ながら知ることできる展覧会です。
今回の展覧会は、『アンアン』や『ポパイ』の雑誌デザインに携わった島根県海士町在住の新谷雅弘さんが監修しています。


新谷雅弘さんです

展覧会の中身をちょっとご紹介♪

今回は取材ということで特別に撮影をさせていただきました!
一部にはなってしまいますが、特に印象に残った点をご紹介します♪

中に入ってみると、まず目に入ったのが赤のロープです。
これは、「レイアウト指定」と呼ばれる、雑誌デザインの指示を行う際に用いられていた赤い線がモチーフとなっています。
その当時はコンピューターではなく、全て手書きで細かく指示を加えていました。


展示会のポスター画像にも使用されているこちらが、
レイアウト指定のイメージです。

ちなみにこの赤いロープは展示会の出口までつながっています!

そして、今回の展示会がとても楽しかった!と思った理由の一つが新谷さんの直筆コメントです!

展示作品の横に新谷さんが書かれたコメントが吹き出しに書かれていたのですが、このコメントがどれも素敵なんです!
新谷さんの熱い人柄が感じられるコメントや、思わずクスッ笑ってしまうようなコメントもあり、新谷さんの日記を読んでいるような感覚でした。

また、仕事柄文字を書く機会が多い新谷さんですが、新谷さんの文字は読みやすく、フォントマニアの間でも人気とのこと!
個性的なフォントですが、どれも読みやすくスッと頭に入ってくる内容でした!

50年以上の歴史ある雑誌『アンアン』


まるで雑誌の世界に入り込んだみたい!

少し進んで行くと、『アンアン』の誌面が大きくいました飾られていました!

新谷さんのキャリアのスタートとなった雑誌が1970年創刊の『アンアン』です。
『アンアン』は、アートディレクターの堀内誠一さんがメインで手掛けた、50年以上の歴史ある雑誌です。

堀内さんは新谷さんの師匠でもあり、新谷さんがデザインの世界に入るきっかけにもなった存在でした。
『アンアン』の創刊以前は、雑誌は文字がメインのものが主流だったそうです。しかし『アンアン』は人物のカラー写真を前面に出してた革新的なデザインでした。


『アンアン』1972年9月20日号(60号)
©︎マガジンハウス

また、『アンアン』には日本全国の観光地を紹介する特集ページが組まれていて、『アンアン』や1971年創刊の『ノンノ』を小脇に抱えて全国を旅する「アンノン族」と呼ばれる女性が増加し、社会現象にもなったそうです。


『アンアン』1971年12月20日号(43号)
pp.92-93「ガイド ショッピング」
レイアウト:新谷雅弘
イラストレーション:原田治
写真:えづら俊
©︎マガジンハウス

また、こちらのページは最初に文章やイラストのレイアウトを決めて、その後空白部分を埋める形でイラストを考える「先割」という手法が用いられていました。そのため、イラストレーターは決められたスペースにぴったり収まるようなイラストを考える必要があったようなんです!
イラストを先に書いたのかなと思うほどの収まり具合にびっくりでした!

男性のバイブルにもなった『ポパイ』


『ポパイ』1979年12月25日号(69号)表紙
タイトルデザイン:堀内誠一
カバーデザイン:新谷雅弘
写真:武井哲史
©︎マガジンハウス
®Hearst Holdings,Inc.

ポパイは1976年創刊の男性向けファッション誌で、新谷さんのメインキャリアとなった雑誌です。
商品の画像を切り抜き、それを誌面いっぱいに並べるという特徴的な手法も取られていました。


©︎マガジンハウス

(画像は『アンアン』の見開きページです。商品の画像を切り抜き、それらが誌面いっぱいに並べられています。)


加藤裕將『ポパイ』に掲載された
口絵カットより 1977-1979年頃

雑誌内の挿絵が集まった展示も!


原田治『アンアン』に掲載された
口絵カットより 1970-1972年

とってもかわいくて、ひとつひとつじっくりと見ていたらあっという間に時間が経っていました!

会場の中ほどにはフォトスポットもあります!

ついつい写真に撮りたくなる、新谷さんの直筆コメントがお気に入りです。

その他にも楽しい展示がもりだくさん!


©︎マガジンハウス
®Hearst Holdings,Inc.

こちらは、年創刊の2年間のみ発行された『マッツ』という雑誌です。

目次もかわいい~!
こちらは、デザインの役割担当を決める「割付表」に見立てて作られたそうです。
こんなにワクワクさせてくれる目次ってなかなかないですよね。

その他にも小学校の教科書の装丁やさまざまなテーマの雑誌にも携わった経験がある新谷さん。
幅広い層に愛される雑誌をデザインされている凄腕アートディレクターです!

グッズ販売

展示室の外には、新谷さんと関わりの深かった「パレットくらぶ」(人気イラストレーターユニット)の面々のグッズ販売もされていました。

ミスタードーナツの商品パッケージも担当していたペーター佐藤さんのポストカードや、原田治さんのOSAMUGOODSも!
今回の記事ではあまり触れることができていませんでしたが、ペーター佐藤さんや原田治さんの紹介コーナーも展覧会にはあります♪

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