「低所得世帯」の世帯年収はどれくらい? 「住民税非課税世帯」との違いは何?

皆さんの中には「給付金制度などでよく耳にする低所得世帯と住民税非課税世帯は何が違うの?」「自分は対象になるの?」という疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
 
国民の生活を支えるために国が支給する給付金ですが、自分が対象者だということを知らない方も多いようです。
 
そこで今回は、「低所得世帯と住民税非課税世帯の違い」と「低所得世帯の世帯年収」について詳しく紹介します。自分が対象かもしれないと感じた方は一度読んでみてください。

低所得世帯と住民税非課税世帯の違い

一般的に、低所得世帯は住民税非課税世帯を指し、住民税非課税世帯は文字通り住民税がかからない世帯のことをいいます。

 

ただし、厚生行政上の関係法令上には低所得者(低所得世帯)という言葉は見当たらず、「低所得者」という言葉自体を直接定義している条文は現在もありません。

 

では、実際にどのような基準で「低所得者」だと判断しているのでしょうか。表1は「施策の適用基準(行政基準)における低所得者(低所得世帯)の規定例」です。

 

※名古屋文理大学「わが国における低所得者の定義をめぐって」を基に筆者が作成

 

表1の適用基準の該当者を、慣例的に低所得世帯と呼んでいるに過ぎず、低所得世帯は施策ごとに存在していることが分かります。低所得世帯の規定を大きく分けると「生活保護基準」と「税制上の基準」の2つになります。

 

「生活保護基準」に準処している例として挙げられるのは「生活福祉資金貸付制度」です。この制度では、低所得世帯を概ね市町村民税非課税とし、その基準を生活保護基準の1.7倍に置いています。

 

「税制の基準」は、税法上の課税階層を基準とした「税制転用方式」と、対象者の収入を基準とした「収入認定方式」の2つに分かれており、実際に多く用いられているのは「税制転用方式」です。

 

低所得世帯の世帯年収

低所得世帯の世帯年収は施策ごとによって異なるため、ここでは、「住民税非課税世帯」を低所得世帯として考えます。表2は、住民税世帯非課税に該当する年収(非課税限度額)です。

 

※厚生労働省「住民税世帯非課税の対象者」を基に筆者が作成

 

住民税世帯非課税となっている対象者は3100万人程度と推計されています。

 

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