7、当たり屋の被害に遭った事例
最後に、実際にあった当たり屋の被害事例を2つ、ご紹介します。
(1)ケース1
2015年に和歌山市内で車を運転していた女性が、自転車に乗っていた男性と接触し、転倒させてけがをさせた交通事故がありました。
この事故で、女性は「過失運転傷害罪」に問われ、裁判が起こっていました。
2016年7月、和歌山簡易裁判所は、
「男性が保険金目当てに事故を偽装する『当たり屋』であった可能性が極めて高い」
と判断し、女性に対して無罪を言い渡しました。
この事件では最終的に当たり屋を証明できて無罪になったからよかったですが、そうならなければ女性には前科がついていたのですから大変な事態であることがわかります。
(2)ケース2
2015年5月8日、東京都小平市内において、男性が60代の女性の運転する軽自動車に接触して転倒する交通事故が起こりました。
男性は大げさに痛がり、女性に対して、
「警察を呼ぶと面倒だし、免許もなくなるぞ」
などと言って脅し、その場で示談金を要求して現金8千円を受け取りました。
その後5か月が経過して、男性の怪我は嘘であり、当たり屋の詐欺行為であったことが判明して男性は逮捕されました。
この男性は、同じ界隈で同じ手口の詐欺事件を繰り返していたことも明らかになっています。
事件発覚の決め手となったのは近隣の防犯カメラの画像でした。
不自然な形で自動車に近づく男性の画像が残っていたため摘発につながったということです。
まとめ
以上のように、当たり屋被害に遭った時にはその場で示談をせず、警察を呼んで保険会社に対応を任せることが重要です。
また、ドライブレコーダーを搭載して、いざというときに備えましょう。
日頃から安全運転を心がけて、交通事故を起こさないようにしていれば当たり屋被害も防ぎやすいです。
万一交通事故を起こして相手の言動に不審な点がある場合には、交通事故に精通している弁護士に相談してみることをお勧めします。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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