3、嘱託社員のメリット
ここでは、嘱託社員のメリットについて、労働者と使用者それぞれの側面から見ていきましょう。
(1)労働者側のメリット
まずは、労働者側のメリットです。
定年退職後も同じ会社で勤務することができる
今までの実力や経験をそのまま活かすことができる
(2)使用者側のメリット
次に、使用者側のメリットです。
長年積み上げた実力をそのまま活用することができる
即戦力になる
このように、労働者にとっても使用者にとっても相互にメリットがあるため、嘱託社員を採用している会社は、中小企業や大企業など多岐に渡ります。
4、嘱託勤務での給与体系や待遇内容は?
(1)給与
このように、労働者・使用者相互にメリットがある嘱託勤務ですが、その給与体系や待遇はどのようになっているのでしょうか?
これに関しては、先ほども記載したように、嘱託社員には法律による明確な定義がないため、統一されたものはありません。
会社との有期雇用契約の内容に従うことになります。
一般的に嘱託社員は正社員に比べ給与が低いイメージがあるのではないでしょうか。
これは、勤務日数が少ないことや、職務内容が限定的であること、ライン上の役職の責任が加わらないことなどの理由からでしょう。
ただし、特別な能力を買われての雇用などの場合であれば、この限りではありません。給与体系については、時給制なのか月給制なのか、その額、ボーナスは貰えるのかなど、雇用契約を結ぶ際にしっかりと確認するようにしましょう。
(2)社会保険
社会保険は、加入条件(勤務日数など)を満たしていれば、嘱託社員であっても必ず加入する必要があります。
(3)有給休暇
また、有給休暇に関しても、嘱託であることで違いが出るのは勤務日数によってのみです。
労働基準法では有給休暇は入社6ヶ月で発生するとされています。
継続雇用での嘱託社員である場合は、定年前の勤務期間も含めるとされているので(昭和63年3月14日基発150号)有給休暇の発生条件は問題ないでしょう。
有給休暇の日数については、
週の所定労働日数が4日以上
週の所定労働時間が30時間以上
どちらかを満たせば正社員と同日数の有給休暇が与えられます。
週の所定労働日数が4日以下
週の所定労働時間が30時間未満
これら2つともに該当する場合、正社員よりも少ない日数の有給休暇となります。
日数は以下の表のとおりです。
所定労働日数
1年間の所定労働日数
雇入れ日から起算した継続勤務期間(単位:年)
0.5
1.5
2.5
3.5
4.5
5.5
6.5以上
4日
169日〜216日
7
8
9
10
12
13
15
3日
121日〜168日
5
6
6
8
9
10
11
2日
73日〜120日
3
4
4
5
6
6
7
1日
48日〜72日
1
2
2
2
3
3
3
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