旧耐震?新耐震?マンションの耐震性の見分け方は

第844回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
東京都が老朽化した分譲マンションの建て替え促進のために、容積率を緩和することを『日経新聞』が報じました。今回対象となるのは、旧耐震基準の建物。容積率(敷地面積に対する建築延べ面積割合のこと)を緩和することによって、建て替え後は戸数が増やせるようになり、民間のデベロッパーの参画を活性化させる狙いがあります。

●旧耐震基準と新耐震基準の違い

旧耐震基準のマンションって? 気になって調べてみると、旧耐震基準とは1981年(昭和56年)以前に建てられた建物に適用された設計基準のこと。背景にあったのは、1924年(大正13年)の関東大震災。多くの建物が倒壊したことを受けて、世界に先駆け中程度の地震に耐えるように設計されるようになったのです。

その後、1968年の十勝沖大地震、1978年の宮城沖地震など、様々な大地震による被害を反映し、1981年に耐震基準に関する改正が発生。以降は、建物が支える重さの20%以上の水平力を受けても倒壊しない設計にするよう定められているのです。
(一般社団法人マンション再生なび ウェブサイトより)

旧耐震?新耐震?マンションの耐震性の見分け方は

●旧耐震と新耐震の被害差は歴然

旧耐震基準建物と新耐震基準建物の被害差は歴然であり、阪神淡路大震災時の被害状況では、旧耐震の建物では30%弱が大破以上の被害を受けたことに対し、新耐震の建物はわずか数%にとどまったのだそう。新耐震だから絶対に倒壊しないというわけではありませんが、少なくとも旧耐震よりは地震に対して強いことは間違いないようです。

ちなみに、旧耐震の分譲マンションは全国に約100万戸存在するといわれており、現在新築マンションの総戸数は500万戸を超えたといわれていることから、約5分の1の分譲マンションの耐震性能に不安が残っている状態ということ。なかでも、そうした分譲マンションを数多く抱えるのが東京です。

自分の住んでいるマンションが、旧耐震か新耐震か、見極める方法は、1981年の6月より前に設計されたマンションかどうかを役所で調べること。設計の審査が旧耐震基準で通っている可能性もあるため、1982年~1983年に完成したマンションでも注意が必要です。

気になる人は、有料となりますが都道府県庁や市区町村役所で「建築確認概要書」「建築確認台帳 記載事項証明」を確認してみましょう。
(文・耐震坂ゆみ/考務店)