トラウデン直美「おじさんの詰め合わせ」発言を“性差別”だと騒ぐ人が見落としている大問題

トラウデン直美「おじさんの詰め合わせ」発言を“性差別”だと騒ぐ人が見落としている大問題

 トラウデン直美の発言が物議を醸しています。8月21日放送の『News23』(TBS系)で、自民党総裁選のポスターを「おじさんの詰め合わせ」と発言して、ネット上で賛否両論が分かれているのです。

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賛否が平行線だが、発言自体を問題化している点は共通

 彼女に共感する人たちは、権力を握る人たちがいまだに男性優位であることを端的に指摘しただけであって、決して男性差別をしたわけではない、と言っています。

 その一方で、これを“おばさんの詰め合わせ”と表現したら大問題になるのに、おじさんならバカにしていいとでも言いたげな昨今の風潮はおかしい、と批判する声も多く聞かれました。


 いまも両者の意見は平行線をたどっている状況ですが、いずれもトラウデン直美個人の見解についてどのような立場を取るかという点では共通しているように思います。

 そこで今回の一件を視点を変えて見てみましょう。トラウデン発言こそ、「おじさん」支配の象徴そのものなのではないでしょうか?

 自民党総裁選ポスターを「おじさんの詰め合わせ」と評し、体制に一矢報いたと溜飲を下げる風景そのものが、他ならぬ「おじさん」的発想から生まれているからです。

若い女性におじさんを否定させるという「おじさん性」

 どういうことかというと、才色兼備の若い女性に「おじさん」の否定をさせるというニュースエンターテインメントの構図が、強固な「おじさん」性の影響下にあるということです。

 いつの時代も、若い女性に叱られる「おじさん」の絵はウケます。ガス抜き役を見栄えのする女性に割り当てることで、本質的な議論を巧みに回避していく。

 そのような振り付けを差配するのは、だいたい男性の力です。

 ゆえに、極めてクレバーなトラウデン直美は求められた役割をこなしただけであって、その発言の是非を問うのはナンセンスといえます。

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