「推しを語りたいのに『やばい!』しかでてこない…」尊さを自分の言葉で表現する方法

「推しを語りたいのに『やばい!』しかでてこない…」尊さを自分の言葉で表現する方法

「好き」を記録しておくために

「『好き』は、一時的な儚(はかな)い感情である」と本書。そんなことはない!とあなたは断言できるでしょうか。できないですよね。でもそれは「悲しいことでもなんでもなくて、そういうものなのです」。

何らかの事情で、推しが推しでなくなったとき、しばらくは食欲もなくひきこもるかもしれません。でもほとぼりが冷めれば次の推しができて、また熱狂的な日々が幕をあけます。

「好き」の気持ちが移ろいでいくから、人は悲しみから立ちなおり、生きていけるのでしょう。

ただ、「『好き』が揺らいで焼失したとしても、一度『好き』を言葉にして残しておけば、その感情は自分の中に残り続ける」と本書は言うのです。

推しもあなたの宝物ですが、推しを思うあなたの気持ちもまた唯一無二の宝物なのです。好きだった気持ちは、やがて必ずあなたを救います。

いつしか過去を振り返ったとき、あなただけの言葉で推しや好きな気持ちが語られていたとしたら、どんなにか素敵でしょうか。

ある意味、推しは自分を映す鏡なのかもしれません。あなたに、愛に満ちた世界をおしえてくれた推し。推しをとおして、自分の新たな可能性、言葉や文章の魅力を知ってみませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

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