同じ境遇のはずの“上戸彩”に抱いた違和感…「当事者の漫画家」が群像劇に込めた思い<漫画>

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性自認について悩む子供がいたら


――もし、性自認について悩んでいる子供がいたら、どう接してほしいと思いますか?

スタニング沢村:子供が自分から「トランスジェンダーかもしれない、病院に行きたい」と言っていたら相当悩んでいると思うので、真剣に聞いてあげるといいんじゃないかと思います。

 一方で、ホルモン治療や体を変えることは体に負担がかかるので、医師に相談しながら慎重に判断するべきことだと思います。例えば、私の場合はテストステロンを増やす療法を受けているので、体力が上がったり性格がポジティブになったりするという良い変化を感じているのですが、肝臓には負担がかかっているんです。

 ただ、病院に行くためには大人の協力が不可欠だし、頭ごなしに否定しないで本人の言うことを一旦(いったん)受け止めることが絶対に必要だと思います。

大切なのは子供のあり方を否定しないこと

スタニング沢村:私の場合は小学校2年生くらいの頃は、「トランスジェンダー」という言葉はなかったですが、「自分が男でも女でもない」ことはよく分かっていました。

 でも子供ながらに世の中に“男か女”の2択しかないことは理解していたので、「受け入れてもらえないだろう」と思って黙っていました。やはり自分のあり方を否定されないことが1番大切だと思います。

 だからこそこの作品では、2巻に登場する小野田くんのように自分の話を聞いてくれる大人がいるかもしれないし、「トランスジェンダーの人生に嘘偽りのない希望があるよ」ということをしっかり描きたいと思っています。

<文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。

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